2001年の世評に上った話題の第一は、何といってもアメリカへの同時多発テロとなるでしょう。受験の世界では世間を揺るがす大事件が起こると、ついつい歴史や小論文と関連させ、ホットな予想問題が欲しくなったりもしますが、2002年の主だった大学の小論文の出題をざっと見てみると、これが意外にアメリカへの同時多発テロがらみの問題がないのです。新聞を読んだり、総合雑誌を読んだりすることは小論文ではとても大切なことですが、第一に思い浮かぶ米国へのテロが出題されず、意外なことに国内問題、国内の政策上の難問が随分直接的に問われているのが目に付きます。
例えば、教育問題を取り上げた慶應義塾大学経済学部、おなじみの少子・高齢化を真正面から問うてきた一橋大学商学部はその好例です。しかし、それでも実際に入試問題を見てみると、世評のやかましさとは別に、過去問題に準拠した出題が圧倒的で、「認識論」(早稲田・一文)「開発経済」(一橋・経済)「新しい時代の企業像」(慶応・総合政策)など、なるほどいつも通りの傾向だと肯きたくなる問題が多発しています。