<<2002/4
公認会計士は、数ある経理系の資格の中でも頂点を極める難関資格で、
高収入職業としても知られています。
その一方、業務の対象が個人ではなく主に企業なので、
高校生にとってイメージがわかない職業でもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、公認会計士として活躍なさっている小野先生と、
昨年公認会計士の試験に合格なさったばかりという松井さんにお話を伺いました。
PROFILE
小野 信行
(おの のぶゆき)
先生
1959年生まれ、香川県出身。中央大学商学部会計学科卒業。1983年に公認会計士二次試験に合格。1987年三次試験合格、公認会計士登録。
現在、新日本監査法人のパートナー。「国際財務の実践ノウハウ」「店頭登録実務マニュアル」「ビジネス必携財務用語辞典」等の執筆を担当。日本公認会計士協会業種別監査委員会委員。
公認会計士の主な業務は、監査業務とその他の業務に分けられます。
監査業務とは、企業が出した財務諸表が正しいかどうかチェックすることです。この監査業務は公認会計士だけに許された独占業務。会計のエキスパートとして、企業活動が正しく行われているかをジャッジする審判員のようなものですね。プロ野球で公式の審判員がいなければ試合が成立しないように、企業が活動していく上で公認会計士の監査は不可欠です。公認会計士の監査証明があることで、企業は社会から信用を獲得し、株価の売買が行われ、活動をすすめていくことができるのです。
監査業務以外では、最近活発に行われている企業再編の際に合併比率を算定したり、株価を評価したり、株式の移動やグループ化、分社化の際に発生する問題を処理します。仕事内容としては、先ほどの監査が7〜8割、その他の仕事が2〜3割といった割合ですね。
公認会計士は一般に高収入と思われています。確かに高い人では年収数千万円にもなります。企業の存続を決め兼ねない判断を要す責任に見合った収入を得られるのは、魅力のひとつです。
最も印象に残っている仕事は、15年くらい前に、初めてあるベンチャー企業の株式公開をお手伝いしたこと
ですね。このように、新しいものを社会に生み出そうとしている人たちをお手伝いできただけでなく、その会社の株が公開され、投資家に買われて、値がついたそのときのことは一生忘れられませんね。
私が公認会計士になろうと思ったのは高校3年生の時です。父から「志望校は、将来おまえが何をしたいのか考えてから決めなさい」と言われて将来の職業について考えました。
大学は、公認会計士の合格者を多く輩出しているところを選んで受験しました。周りには「○○大学ならどこでもいい」といろいろな学部を受験する友達もいましたが、私は
「公認会計士になる」という目的を果たせる大学を選びましたね。
PROFILE
松井 麻名実
(まつい まなみ)
さん
1970年生まれ。神奈川県出身。埼玉県立浦和第一女子高校出身、聖心女子大学文学部国語国文学科卒業。1993年(株)あさひ銀行入社。2年間の勤務の後退社し、会計士試験の勉強を始める。1997年公認会計士二次試験に合格し、センチュリー監査法人(現 新日本監査法人)に入所。2001年三次試験合格、現在に至る。
この資格をとるために、たいていの人が予備校に通います。朝7時くらいから夜遅くまで毎日勉強するというハードなものなので、途中であきらめてしまう人もたくさんいますね。合格までに、だいたい3年くらいかかるといわれています。
7科目をいっぺんに勉強するので、最初は理解が進まずつらかったこともありました。でも、
なぜそうなるかということがわかるようになると勉強が面白くなっていく
んですよ。大学受験も同じかもしれませんが、丸暗記するのではなく、なぜそうなるのかを理解することが大切。そして
「絶対になる!」という強い思いを持って努力することが大事だと思います。
あと、
英語の勉強はしっかりやっておくことをお勧めします。
私は外資系企業を担当する国際部門に所属しておりますが、そこはもちろん、いまや国内部門でも英語は必須。書類を読み、レポートを書く基礎となる英語力を学生時代に身につけておくことは大事だと思います。
公認会計士になるには、何はなくとも国家試験に合格しなければならない。
以下、公認会計士になるためのステップを紹介しよう。
一次試験
※大学2年以上の履修者は免除。
↓
二次試験
<短答式試験 論文式試験>
会計士補となるのに必要な専門的学識を
有するかどうかを判定するもので、
試験制度の中核をなしている。
↓
会計士補
1年以上の実務補習及び2年以上の業務補助又は実務従事。
↓
三次試験
公認会計士となるのに必要な高度の
専門的応用能力を有するかどうかを判定する。
↓
公認会計士
合格率は毎年7%前後と、司法試験と並んで超難関の公認会計士資格試験。2001年度の二次試験の合格者は961人で、合格者は最多。合格率は8.0%(2000年は7.6%)であった。例年慶應義塾大学出身者が圧倒的に多かったが、本年は早稲田大学の躍進が目立った。
公認会計士二次試験合格者
出身大学別 ベスト10
2001年度
2000年度
前年からの増減
1
慶應義塾大学
155
132
+23
2
早稲田大学
134
90
+44
3
東京大学
68
50
+18
4
中央大学
59
60
-1
5
一橋大学
47
35
+12
6
同志社大学
43
37
+6
7
明治大学
42
35
+7
8
京都大学
29
28
+1
9
神戸大学
24
27
-3
10
関西学院大学
22
23
-1