英語(English)
過去5年間は大きな変更がなかったが、今年は問題構成に大きな変化があり、第1、3、4問で新しい形式の問題が出題された。
変更点を詳細に見ていくと、第1問に単語の発音問題が復活。アクセント(accent)問題も形を変えて残った。また、文中の強勢に応じた話者の意図を問う新しいタイプ(type)の問題が出題された。第3問では、文脈から下線部の語や文の意味を推測させる問題や、ディスカッション(discussion)の英文を素材とした空所補充問題が新しく登場した。第4問では、広告文の情報を読み取る形式が追加された。第5問では会話文が二つ出題され、それぞれにイラスト(illustration)の問題が含まれた。
問題形式は大きく変わったものの、設問自体はあっさりしたものが増え、平均点も上昇し
た。問題文と設問文の語数が全体で昨年より500語以上増えているため、分量をこなしてい
く速読力が得点を伸ばすカギ(key)になったといえる。
今年のセンター試験(center exam)では、新形式として、短文中に施された下線部の語、表現の意味を問う問題が出題された。語や表現そのものについての知識を試すのではなく、文脈から何を言い表しているのかを推測させる問題である。右の問いでは、altruismという語の意味が問われている。文章そのものは比較的やさしく、落ち着いて取り組めば、意味を推測することは決して難しくはない。しかし、新高3生のこの問題の正答率は、4割にも達しないという結果であった!
単語の集まりとしてではなく、ひとつの流れとして文章を読む姿勢を身につけることが必要だ。




出題形式は、昨年行われたリスニング(listening)のテスト(test)と同じであった。内容も昨年と同様、日常的な会話やスピーチ(speech)が中心である。英文と質問は2回ずつ読み上げられ、解答をマーク(mark)する時間がその都度設けられている。
読み上げのスピード(speed)については、第4問Bを例にとると、昨年の1分あたり約130語に対し、今年は1分あたり約150語となり、予想されたとおり若干速くなっている。スピード(speed)が速くなったことに加え、今年の試験では、複数のナレーター(narrator)によって発音のバラエティ(variety)を出していた。より実用性の高い英語を目指すというねらいが伺える。
ほとんどの問題は設問も選択肢も素直であったが、第2問や第4問は正答率が伸びなかった。高得点を目指すためには、リスニング(listening)の力や文脈を理解する力に加え、問題の形式に慣れておくことも必要になってくるだろう。
今年の第2問は、設問も選択肢も比較的素直であったが、新高3生は思ったほど得点を伸ばすことができていなかった。中でも問9は正答率が低く、正解者はおよそ3人に1人であった。この問いでは、話の中に3人の人物が登場するが、その3人の関係をきちんと把握できたかどうかが正解へのポイント(point)となった。会話の状況を素早く、正確に把握することが求められた問題といえる。
実際の会話では、質問があっても、それに直接答える文が続くとは限らない。リスニング(listening)、筆記を問わず、対話形式の文に多く目を通して会話の流れを理解できる、広い意味での「読解力」を養っておこう。
【読み上げ文】
M: Ms. Tucker, a Mr. Richard
Clayton is on the phone.
W: I’m a little busy right now.
Could you have him call me back
after four o’clock?
1,All right, I’ll ask him to meet you.
2,All right, I’ll call him at 4:00.
3,All right, I’ll see him.
4,All right, I’ll tell him.


数学(mathematics)
選択問題なしの大問4題の構成は昨年度と変化がなかった。また、各大問の分野構成も昨年同様。第1問後半で、集合が題材として扱われていることが目新しい。また昨年と比較して、第1問の配点が25点から20点へ、第3問の配点が25点から30点へと変わり、図形問題の比重がより大きくなった。細かい数値の評価などで時間をとり、また、図形の問題でははじめの第一歩が見えにくいものもある。さらに確率ではパターン(pattern)数の数え間違いが後半に影響を与えることもあるので、全体として昨年より難化したといえよう。
昨年度は、命題の否定・真偽、そして今年度は集合におけるド・モルガン(De Morgan)の法則など、目新しい形での出題が目立つ。従来の命題の必要条件・十分条件に関する問題も出題されているが、それに加えて、この分野であまり出題されていなかった部分が取り上げられる傾向にある。ただし定義をしっかりと覚え、全て書き出すなどの基本姿勢が身についていれば、この分野を攻略するのはそれほど難しくないはずだ。完答を目指したい。


必修問題2問、選択問題4題から2題選択の計4題の構成は昨年度までの形式を踏襲している。第1問で指数・対数関数と、図形と方程式、第2問では微分法・積分法と三角関数など、近年あまり見られなかった形の融合問題が扱われている。問題量は昨年並みといえるだろう。
各小問に親切な誘導がついているので、初めに、あるいは途中で解き方について考え込む場面が昨年よりは減ったと思われるが、第3問の数列が難化したほか、その影響で次の大問に十分な時間をとれない受験生が多かったため、全体として平均点は下がった。
今回の問題の中では最も解きやすかったと思われる。前半は真数条件の理解や、指数・対数関数の計算規則を問う基本的な問題。親切な誘導がついているので、式変形はスムーズ(smoothly)にいくであろう。最後の、不等式の領域を選ばせる問題は目新しいが、最初に押さえたx、yの変域や、yの値による場合分けによく注意すれば、難しくはないはずだ。完答を目指したい。


国語(Japanese)
国語全体における、大問数4、各大問の配点50点という形式に変化はない。第3問の古文で解答数が一つ増え、全部で36となった。第1問の評論文は本文の長さが約5割増しと長文化し、速読力が求められたが、設問は標準的なものであった。第2問の小説文は、文章・設問ともに理解したうえで、解くのに時間のかかる問題であったため、得意不得意の差が出たと思われる。
現代文に苦手意識のある生徒は、まず漢字・語彙といった知識事項を固めることが先決。こうした「言葉についての知識」は、単に漢字問題や語句問題で点を取るだけでなく、読解力を根本から支えることにつながる。
例えば、小説問題で例年出題される問1の語句問題は、「本文中における意味」を問う問題ではあるが、あくまで「辞書的な意味を優先して解く」というのが鉄則パターン(pattern)。その意味で、今年の(ア)「老成した」は迷う問題。文脈判断だと正解のBではなく、他の選択肢を選んでしまう可能性があるが、あくまで辞書的な意味は「年のわりに落ち着いた」なので、正解はB。(イ)(ウ)も辞書的な意味を優先して答える。

古文は分量が少し増え、物語文であったため、いくらか読むのに苦労したかもしれないが、選択肢に紛らわしいものがなく、設問自体は難しくない。漢文は本試験では2003年度以来の漢詩が出題されるなど、昨年度に比べて難化した。問1の熟語の問題に新傾向も見られた。
古文・漢文では、単語・文法・句法などの知識で確実に点がとれる部分があるので、第一に基礎知識をしっかり身につけること。そして、それを活かせるためのトレーニング(training)を積み重ねることが必要だ。
今年の第3問・問1でも、知識が直接得点に結びつく設問が出題されている。(ア)の「おろかなり」は必修単語。(イ)の「よしよししく」は形容詞「由々し」の連用形。「よしよしし」の形で覚えた受験生は少ないだろうが、必修単語「よしあり」と同意であると気づけば、そこで選択肢をしぼることができる。「にほひ(やかなり)」も必修単語。

