大学入試の基礎知識

大学を選ぶ際に最も重視すべきことは、その大学で自分が学びたいことが学べるかどうかです。しかし、多くの受験生にとって、学費などの経済的な要素も無視できない条件でしょう。
ここでは、検定料・入学金・授業料などの学費や、奨学金などについて紹介します。

■受験費用はどのくらいかかる?

入学検定料(受験料)は、センター試験が1万8000円(3教科以上受験の場合)、国公立大学の前期・後期日程が合計3万4000円です。私立大学のセンター方式は約1万8000円、個別方式は約3万5000円が主流です。 例えば、標準的な国公立大学志願者の場合、センター試験、国公立大学の前期・後期日程、私立大学3校(センター方式1校、個別方式2校)を受験すると、合計して約14万円の受験料が必要となります。 なお、同じ私立大学内で併願する場合や、同じ学部を複数の方式で受験する場合、受験料を減免する大学が増えています。詳しくは各大学のホームページなどで確認しましょう。

■国公立大学と私立大学の違い

不況の影響で家庭の経済状況が厳しくなっていることもあり、国公立大学の志望者は増加傾向にあります。
国公立大学が私立大学より学費が安いのは事実ですが、その差は年々縮まってきています。国立大学と私立大学を比較すると、1975年は約5倍の違いがあったものの、1980年代には約2倍、2013年時で約1.6倍と、現在は保護者世代ほどの大きな開きはなくなっています。
また、1年次の授業料と入学金を加えた初年度納付金を比較した場合、その差は1.4倍とさらに小さくなります。
国立大学の授業料は、学部によらず共通です。また、公立大学では、入学金については設置する自治体(地方公共団体)の出身者を優遇している場合も多く、国立大学よりも割安になることもあります。



■大学1年目の学費はどれくらいかかる?

私立大学の学費は国公立大学と異なり、同じ大学でも学部系統によって大きく異なります。文科系の平均額は約115万円で国公立大学の1.4倍ですが、理科系では約150万円で1.8倍となり、医歯系については約460万円で5.6倍もの開きがあります。
なお、医・歯・薬学部では近年、学費を値下げするケースも見られます。これには、近年の経済不安で家庭の経済状況も厳しくなり、志願者が減少したことなどが背景にあります。
また、欧米諸国の大学では入学金が存在せず、日本の大学の入学金が高すぎるとの批判もあるので、今後入学金の引き下げ、ないし廃止が広がっていく可能性はあります。ただし、各大学で状況は異なりますので注意しましょう。

■自宅通学と1人暮らしの生活費

学生生活に必要な経費は学費だけではありません。自宅通学か1人暮らしかでも、経費は変わってきます。
では、自宅通学者と1人暮らしの学生について比較してみましょう。
国公立大学生・私立大学生にかかわらず、1人暮らしの学生は、自宅生の3倍近くの生活費を必要としており、その差額は主に食費、住居・光熱費です。収入を見ると、家庭からの仕送りが大半を占めますが、次いで奨学金となっていることが見て取れます。
1986年以降における首都圏の私立大学生の仕送り月額を見ると、ピークの1995年に比べて2014年では、3万5000円減っています。

また、アルバイトに従事する学生も多く、アルバイトをしないと修学が不自由もしくは困難な学生は2014年度は35.0%となっています。
学費が増加傾向にある一方で、各家庭の経済状況は悪化の一途をたどっており、学生の生活は苦しい状況が続いていることがわかります。

■大学生の5割が奨学金を利用

受験生の保護者世代にとって、奨学金は学業成績優秀者のみが利用するという印象が強いかもしれません。しかし、今や2人に1人の大学生が奨学金を利用しており、最も利用者の多い日本学生支援機構の奨学金だけで、約134万人(2013年度)の学生が利用しています。
奨学金は、大学卒業後に返済する「貸与型」と返済の必要がない「給付型」に分類されます。従来は「貸与型」が主流でしたが、最近は「給付型」の奨学金を導入する大学が増えてきています。
下表は、日本学生支援機構の奨学金制度の概要をまとめたものです。第一種(無利子)と第二種(有利子)に分かれており、いずれも「貸与型」です。第一種は国公立大学か私立大学か、および、自宅生か自宅外生かで貸与額が決められています。一方、第二種では、貸与額を3~12万円から選ぶことができます。また、国としても給付型奨学金制度の導入を検討したり、近年独自の「給付型」の奨学金や、授業料免除などの学費減免制度を導入する大学が増えています。給付型の奨学金ないし授業料免除の制度については、各大学のホームページや担当窓口で確認しましょう。

■ 用語集