大学入試の基礎知識

◆志望校選択編

【オープンキャンパス】

 志望大学に関する情報収集は、各大学のホームページやパンフレットを確認することが最も手軽な方法といえます。しかし、実際に足を運び、駅からの道のりやキャンパスの雰囲気を肌で感じることも大切です。例年、主に初夏から秋にかけて各大学ではオープンキャンパスが開催されます。先輩や先生たちの生の声を聞くことができ、入試担当者から学習法のアドバイスを受けられる大学もあるので、気になる大学があったら必ず参加しておきましょう。

【大学グループの略称】

 受験情報誌等では、入試難易度や出自、所在地などの点で共通項をもつ複数の大学を、まとめて一定の略称で呼ぶことがあります。


ただしこれらの用法や表記法は、あくまで一般的なものです。また、これらのほかにも数々の大学群の名称・略称が生み出されています。それぞれがどの大学を内包しているのかは、注釈や文脈などで確認しましょう。

【クォーター(4学期)制】

 1年間の課程を4つの学期に分けて学ぶ制度。1学期あたり8週間で集中的に学ぶことができ、海外の大学と学期の区切りを合わせることで学生の留学促進や海外からの留学生の獲得が図れるため、現在多くの大学で導入が検討されています。


【志願倍率・実質倍率】

 「志願倍率」は志願者数を募集人員で割った数値。実際の競争率は受験者数を合格者数で割った数値である「実質倍率」で確認します。


【基準点】

 特定の教科・科目(または全科目)に設定された合格最低点のことで、その教科・科目の得点が基準点に達していない場合には、総合点が合格ラインを上回っていても不合格となります。


◆国公立大入試編

【分離分割方式】

 国公立大入試の個別学力検査は、センター試験の後、「前期日程」と「後期日程」に日程を分離し、定員を分割して行われます。このことを「分離分割方式」といいます。一部公立大では「中期日程」を実施しているところもあり、受験生は前期・中期・後期日程の最大3回の受験が可能です。ただし、前期日程で合格し入学手続きを行うと、以後の日程を受験していても合格の権利を失うため、受験生は前期日程で第一志望の大学を受験するのが定石となっています。また、近年では後期日程を廃止もしくは縮小する動きが広がっているので、注意が必要です。

【二段階選抜】

 一次試験(センター試験)の成績で第一段階の選抜を行い、その合格者のみで二次試験(個別学力検査)を実施する選抜方式。東京大や京都大などの旧帝大、国公立大医学部など、多くの志願者が集まる難関大学で主に実施されています。二段階選抜を行う理由としては、一定以上の学力をもった受験生を集めたい、志願者が入学定員を大幅に上回った場合に受験会場の確保が難しい、といった点が挙げられます。二段階選抜を予告している大学であっても、予告した条件で不合格者が少ない場合などは、第一段階選抜を実施しないことがあります。

【傾斜配点】

 センター試験では「英語」200点、「数学Ⅰ・数学A」100点のように、あらかじめ配点が決められていますが、合否判定は各大学・学部ごとの独自の配点で行われる場合がほとんどです。こうした大学独自の配点を「傾斜配点」と呼びます。例えば神戸大工学部情報知能工学科(16年度・前期)では二次試験で国語、地理歴史・公民を課さないかわりに、センター試験では高配点をもたせています(英語・数学・理科50点、地歴公民75点、国語125点)。理系学部とはいえ、国語や社会の学力についても求めているといえます。

【2018年問題】

 この数年、約120万人で推移してきた18歳人口が、2018年から再び減少に転じ、2031年には100万人程度まで減ると予測されています。これにより経営が悪化する私立大学が急激に増えることが懸念されています。

◆私立入試編

【試験日自由選択制度/学外試験会場】

 他大学との受験日の重複を避けるため、試験日を2日以上設定して受験生の都合の良い日に受験できる「試験日自由選択制度」を設けている大学があります。また、地方や遠方に在住の受験生に配慮して、大都市や地方都市などに「学外試験会場」を設けて「地方試験」を実施する大学も増えています。

【全学部統一入試】

 私立大の一般入試は試験日や試験問題が学部ごとに異なるのが通例ですが、「全学部統一入試」は全学部で同一日に同一試験問題で実施されます。学部ごとの一般入試と「全学部統一入試」との併願は可能であるため、これを利用すると同じ大学の同じ学部を複数回受験できます。また、「全学部統一入試」で複数の学部に併願できる大学もあります。

【センタープラス方式】

 センター試験と大学独自の個別試験の成績を総合して合否を判定する方式。「センター併用方式」とも呼ばれています。センター試験と個別試験で異なる科目を課す大学もあれば、センター試験の高得点科目を自動的に合否判定に用いる大学もあり、大学ごとに内容はさまざまです。

【英語外部試験利用型入試】

 英語の学力試験の代わりに、英語の4技能(聞く、話す、読む、書く)を測定する資格・検定試験を活用する入試制度です。IELTS、TOEFLiBT、TEAPなど、大学により利用可能な試験とその利用方法が異なります。利用方法としては「資格認定方式」「満点換算方式」「換算点合算方式」などのパターンにわけられます。他の方式との併願の可否については、確認が必要です。
 ◆英語外部試験利用型入試実施例

◆推薦・AO入試編

【評定平均値と学習成績概評】

 高校で学ぶ各教科や全教科の成績を5段階評価したものの平均値のことで、推薦入試の際、大学に提出される調査書に記載されます。「各教科の評定平均値」は教科内の各科目の評定合計数を科目数で割った数値、「全体の評定平均値」は履修した全教科・科目の評定の合計数をすべての科目数で割った数値で、小数点以下第1位までで表されます。推薦入試においては一般的に3年1学期までの評定平均値が選考の対象となります。この評定平均値をもとにして調査書の学習成績概評が決定します。国公立大や難関私立大の推薦入試においては、Aランクをとることが望ましく、Aランクの中でも特に学校長が優秀と認めた場合は、Aと表示することができます。大学によってはAランクの者のみに出願を限定しているところもあります。

【地域枠推薦】

 地元出身者、あるいは大学卒業後に大学の所在地で活躍することなどを出願条件として、募集枠を設けることを「地域枠」といいます。公立大では大学設置の趣旨から、学部を問わず地元出身者を優先して入学させる方式となっています。

【アドミッション・ポリシー】

 大学・学部・学科ごとに示される入学者受け入れ方針。大学が求める学生像や目指す方向性を明らかにしたもので、AO入試を受験する際は、受験生の意志と大学のアドミッション・ポリシーの合致が必須条件となります。

【カリキュラム・ポリシー】

 教育課程の編成や実施の方針。

【ディプロマ・ポリシー】

 学修成果の評価、学位授与の方針。

【エントリーシート】

 AO入試出願の際に提出する志望理由書(自己推薦書)や活動記録のことをエントリーシート(略してESと呼ぶことも多い)といいます。AO入試ではエントリーシートを中心に書類審査を行った後、小論文や面接、グループ・ディスカッションなどの二次審査を行うケースが多いため、エントリーシート記入の際には、単にこれまでの実績を羅列するだけでなく、自己アピールするための文章力も要求されます。また、エントリーシートでは大学入学後の勉学・活動の計画の記入を求められることも多いので、受験生は事前にしっかりと将来の展望を考えておくことが必要です。

◆受験料・学費編

【インターネット(Web)出願】

 インターネットの出願サイトから、必要な項目の情報を入力・送信することで出願ができる出願方法の1つ。受験生の手間の軽減や、大学側の人件費の削減、ペーパレス化により環境にやさしいなどのメリットがあり、近年導入する大学が増えています。上智大は15年度入試から一般入試とTEAP利用入試出願を完全インターネット化しました。また、国立大でも17年度入試から広島大が完全インターネット化、お茶の水女子大が紙の願書と併用する形で導入しており、今後も採用する大学が増加すると思われます。なお、導入している多くの大学で、入学検定料や併願検定料の割引を行っており、利用する受験生が増えています。

【初年度納付金】

 初年度納付金には、授業料に加え、入学金、施設整備費、実験実習費、諸会費などが含まれます。納入方法は、一次手続で入学金を納入し二次手続で前期授業料を納入する二段階方式や、一括で納入する方式(一部を延納できる場合もある)など、各大学によって異なるため注意が必要です。国立大では、入学金、授業料に標準額があり、その合計は81万7,800円と定められています(施設整備費や実験実習費は、大学・学部によって異なります)。一方、私立大では、初年度納付金に各大学間や学部間でばらつきが見られ、法学部の初年度納付金は約100~125万円、理工学部は約140~180万円というのが一般的な額です。なお、施設費を4年間に分散させ、納入額を4年間同額としている龍谷大のように、初年度の負担額を抑えている大学もあります。

【特待生(奨学生、スカラシップ)入試】

 入学試験で優秀な成績を収めた学生を対象に、学費の免除や奨学金の給付・貸与といった優遇を与える大学が増えています。特待生などの優遇制度選考のみを主眼に置いた個別試験が行われる場合と、一般・推薦入試の中で特に成績が優れた受験生に特待生などの資格を与える場合の2パターンがあります。また、近年注目されているのは、入学前に給付が約束される「入学前予約型給付奨学金」です。原則4年間支給されることが多く、返還の義務がありません。