大学入試の基礎知識

◆大学入試を迎えるにあたって━━ 大学入試の現状を知ろう

 「大学受験」といっても、志望するのが国公立大なのか私立大なのか、入試の方式が一般入試なのか推薦入試やAO入試なのか……といった選択の仕方で、出願方法や試験科目、試験日程などが異なってきます。やみくもに受験勉強して本番を迎えるのではなく、受験情報誌や予備校のホームページで入試全体について、大学のオープンキャンパスや入試説明会で志望校についての情報を知り、それを活かすことが、合格への重要なポイントとなります。 自分の志望を明確にし、志望校の入試制度をしっかりと把握すれば、第一志望校合格に向けた学習方法も自ずと見えてくるに違いありません。

入試スケジュール

◆大学入試の種類━━ 大学入試は「一般入試」と「特別選抜入試」の2つに大別できます。

 一般入試は高卒(見込)・高校卒業程度認定試験合格者(旧大検合格者)ならば誰でも受験できますが、特別選抜入試は大学の定めた条件を満たさなければ受験できません。

◆一般入試

 一般入試は「大学入試センター試験(以下、センター試験)」と「個別学力検査(以下、個別試験)」で構成される学力試験です。
 国公立大では、一次試験としてセンター試験、二次試験として各大学で実施する個別試験を課し、これらを総合して合否を判定します。国公立大の一次試験は文系が5(6)教科8科目(外国語、国語、数学2科目、地理歴史・公民から2科目、理科の基礎を付した科目2科目)、理系が5教科7科目(外国語、国語、数学2科目、地理歴史・公民から1科目、理科の基礎を付していない科目2科目)を課される場合が多く、二次試験である個別試験は「分離分割方式」で実施されます。分離分割方式とは、募集人員を前期日程と後期日程に振り分けて個別試験を2回実施する方式です(一部の公立大では中期日程も実施)。しかし、前期日程に合格し、入学手続きを行うと後期日程の合格資格を失うので、注意が必要です。
 なお、二段階選抜を実施する大学では、志願者数が予告倍率を超えた場合にセンター試験の成績で二次試験を受験できるか否かを判定し、不合格者は二次試験を受験することができません。また、倍率にかかわらずセンター試験の点数で二段階選抜を実施する大学もあります。
 私立大では、 ①個別試験のみ ②センター試験のみ ③個別試験とセンター試験 の3通りの型があり、②③を「センター利用方式」と呼びます。
 私立大の一般入試で最も募集人員が多いのは個別試験のみで合否を判定する方式で、個別試験を受験科目で分類すると、3教科型と2教科以下型に分けられます。3教科型は、文系が英語・国語・地理歴史公民の3教科、理系が英語・数学・理科の3教科を課す大学が多く、2教科以下型は、受験科目が指定される場合もあるものの、自分の得意な科目を受験時に選択できたり、3教科以上を受験してその中から成績のよい教科を自動的に用いて合否を判定するなど、大学ごとにさまざまな方式があります。なお、ごく一部の大学では4教科を課す場合があります。

 「センター利用方式」については、センター試験のみで合否を判定する方式と、センター試験と個別試験の併用で合否を判定する方式があります。
 また、大学の所在地以外の都市で実施される「地方入試」、1回の試験で複数の学部に出願できる「全学部統一入試」、同一大学・学部・学科の試験日程を複数設ける「試験日自由選択制」といった制度を導入している大学もあります。

入試制度の一覧

◆特別選抜入試

 特別選抜入試には「推薦入試」と「アドミッションズ・オフィス入試(AO入試)」があります。
 推薦入試とは、出身校の校長の推薦により、主に調査書で合否を判定する入試制度です。大学が指定した高校から出願できる「指定校制推薦」と、出願条件を満たせば誰でも出願できる「公募制推薦」の大きく2つに分けられます。かつては原則として学力試験は免除されましたが、近年は学力の要素の適性な把握が求められるようになり、面接・小論文などを実施する大学が多く、国公立大ではセンター試験を課す場合もあります。また、スポーツ推薦・自己推薦、高度な資格技能による推薦など学力以外の面を重視する「特別推薦」もあります。一部の国立大の医学部医学科や教育学部では過疎地の医師不足対策や教員不足の対策として「地元枠推薦(地域枠推薦)」を実施している場合もあります。  AO入試とは、大学が求める人物像(アドミッション・ポリシー)と受験生を照らし合わせて合否を判定する入試制度です。AO入試は書類選考・面接・小論文・ゼミ・課題提出・研究発表など大学ごとにさまざまな方法で実施され、学力以外の意欲や将来性なども重視されています。
 このようにさまざまな入試方法があるので、志望大学にはどのような入試制度があるのかを知り、どの入試を活用してチャレンジするかをしっかりと見極めて準備を進める必要があります。

◆受験人口の推移

 18歳人口は1992年(平成4年)にピークに達し、それ以降は少子化の影響で年度により若干の増減はあるものの、減少傾向にあります。そのため、数字の上では大学は入りやすくなっているといえますが、難関大のレベルは下がっていません。大学受験人口は2017年度入試では約67万人の見込みですが、2018年度から18歳人口が減少に転じることから、大学受験人口も減少していくと予想されます。

◆受験生・大学の動向

 各大学では、受験人口減少の影響で、学生数を確保するためにさまざまな改革を行っています。たとえば、多くの大学で特色ある学部の新設・改組が行われていますが、このような大学の改革は、受験生の将来を考えると、歓迎すべきことといえます。
 しかし、こうした改組は志望動向にも影響を与えており、教員免許を卒業要件としない教育学部の総合課程(ゼロ免課程)の廃止や後期日程廃止の影響もあり、国立大は志願者数が減少している一方、私立大志願者数の割合が増加傾向にあります。
 また、学部系統別の志望動向としては、就職状況が好転したこともあり、2015年度入試からは長年続いた「理高文低」から「文高理低」に転じています。特に、法学部や経済学部、経営学部といった社会科学系学部の人気回復が顕著です。

◆大学・学部選びは慎重に!

 大学に入りやすくなる一方で、大学を出てさえいればある程度の就職先や給与が保証された時代は終わり、大学で何を学び、身につけたかということが、今まで以上に問われる時代になっています。自分の将来をよく考え、自分の興味ある大学・学部について充分に考えた上で、志望校を決めることが大切です。

◆難関大学のレベルは下がっていない!

 18歳人口の減少の割合に対し、受験人口の減少幅は少ないため、人気のある難関大学は国公立、私立を問わず、依然として高い倍率を保っており、決して入りやすくなってはいません。むしろ、近年さらに難化している大学もあります。「大学全入時代」といった言葉に惑わされることなく、今からしっかりとした対策を立てておくことが大切です。

◆今後の入試動向

 ここ数年の入試結果やこれまでのデータを踏まえ、今後の入試動向のポイントをまとめると、以下のようになります。

大学受験人口と成長率