Q.いま夢中なことより、将来に役立つことをすべきですか?
この方が回答してくださいました!
1980年4月、法政大学第一教養部専任講師。1991年同部教授、2012年法政大学社会学部長を経て2014年法政大学総長に就任。主な著書に『江戸の想像力』(芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸百夢』(芸術選奨文部大臣賞・サントリー学芸賞)がある。2005年には紫綬褒章を受章。
私が大学生になったときはこれで思う存分勉強できると思い、とてもうれしかったことを覚えています。
実際、勉強を始めてみると想像以上に楽しくて、勉強だと思っていませんでした。本を読んで教養を積み、考え、そして書くことができるって、なんて素晴らしいことなんだろうと思っていました。まさに’’水を得た魚のよう’’でしたね。そして、その頃に石川淳という小説家の書いたエッセイを読み、「江戸時代はこんなにおもしろい時代だったのか!」と驚き、それまではまったく興味のなかった江戸時代が驚異的な世界に思えたことが、私の場合は研究者になるきっかけでした。
楽しさには、’’気軽で楽しい’’ということと、’’充実して楽しい’’と二通りの楽しさがあると思います。注目して欲しいのは後者の、’’苦労を苦労と思えない楽しさ’’のほうです。今はまだはっきりしていなくてもその片鱗を自分の中に見出したら、どうかその尻尾を捕まえて、そばに置き、できれば育てておいてください。それがもしかしたら、生涯の仕事になるかもしれないし、そうでなかったとしても、それがそばにあることで生き生きできると思うからです。
夢中になっていることを全力で
未来の担い手である皆さんは、自分がどう生きるのか、自分で考える力を育ててください。そして、何かを夢中でやるということは、自然に考える力を育ててくれますので、あなたが夢中になっていることを全力でやり遂げてください!