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英語のリスニングに自信がありません。英語の「読む・書く」はできるけど、リスニングができません。どうすればいいですか? (高2男子)

自分の弱点の把握し、「限界を超える」作業を積み重ねる

  
津田塾大学 学芸学部英文学科准教授
いながき よしのり
稲垣 善律
先生

津田塾大学学芸学部英文学科准教授。2009年東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。学術博士。第二言語習得のメカニズムや、それに基づいた第二言語の学習法、教育法について研究。

 教室を一歩外に出ると英語を使う機会が限られている言語環境では、特に英語の音声に触れる機会が不足しがちです。まずは聞く練習の絶対量が必要です。そして、量とともに大切なのが質の部分、つまり勉強の仕方です。


自分の弱点を知る


 ごく簡単に言えばリスニングは、発話文に含まれる単語を聞き取り、文法に則って文としての意味を理解し、場面や状況に合わせて解釈し、それを記憶しながら後続の発話文の処理に移る、という過程をたどります。リスニングができないということは、その過程のどこかに問題があるということになりますが、まずは自分の問題がどこにあるのかを見極めることが肝心です。


 単語を聞き取る段階で問題がある場合は、英語の音のルールについて確認することをお勧めします。英語には日本語にない音がたくさんあるだけでなく、単語の音がつながる「連結」や、特定の音が抜け落ちる「脱落」といった音の変化も存在します。こうした音のルールについて知り、その例を繰り返し聞く練習をしましょう。また、単語にはコミュニケーション上重要な意味を担う内容語(名詞、動詞、形容詞、副詞など)と、そうでない機能語(人称代名詞、be動詞、冠詞、接続詞など)があり、内容語は強く、高く、長く、機能語は弱く、低く、短く発音されます。まずは、聞きやすく、意味を理解するうえで重要な内容語が聞き取れるようになることを目指しましょう。

 

 リスニングの際に、分析、理解、記憶といった作業を担当するワーキングメモリーには、容量に限りがあります。そのため、仮に単語や文法の力が不足していると、その対応にメモリーが動員されてしまい、文の意味を把握したり、覚えていたりすることが大変になってしまいます。「単純で短い文だと聞き取れるのに、複雑で長い文になると分からなくなる」ということが起きるのはそのためです。自分の単語力と文法力に問題がないかもチェックしてみましょう。


「限界を超える」作業を積み重ねる


 リスニングの練習には、何のヒントもなしで聞いてみて、「大体は分かるけど、細かい部分は分からない」というレベルの教材を選びましょう。これを繰り返して聞きます。たいていの場合、一度より二度、二度より三度聞く方が聞き取れる情報量が増えていきます。そして、「もうこれ以上聞いても無理」という限界点まで来たら、そこで初めて文字情報を見ます。文字の助けを得ながら聞くことで、どうしても聞き取れなかった英語表現の正体を認識することができ、その認識と共に聞く練習を続けることで、次第に聞き取れるようになっていきます。つまり、こういった「限界を超える」作業を積み重ねていくことにより、聞く力が少しずつ向上していくのです。


 こうした作業は、皆さんの頭の中にある「英語の聞こえ方」に関するデータベースに、以前は存在しなかった新たなデータを追加してくれます。そして、そのデータは次に同じ音声表現と出会った際に、これを聞き取り、理解する手助けをしてくれます。こうして皆さんのデータベースが豊かになり、それを利用するスキルが練習によって上達することで、耳に入ってくる英語をデータベースにより速く、正確に照合し、意識的に考えなくても聞き取り、理解することができるようになるのです。


 リスニング力はすぐに伸びるわけではありません。データベースを構築し、それを上手に利用できるようになるには時間がかかるのです。しかし、正しい方法で勉強を続ければ必ず伸びます。諦めずにがんばりましょう。


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