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英単語を覚えるのが苦手です。どうやって覚えればいいですか? (高2男子)

記憶の仕組みをフル活用しよう

  
津田塾大学 学芸学部英文学科准教授
いながき よしのり
稲垣 善律
先生

津田塾大学学芸学部英文学科准教授。2009年東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。学術博士。第二言語習得のメカニズムや、それに基づいた第二言語の学習法、教育法について研究。

 英語を学ぶ人にとって、単語を覚えることはつらい作業になりがちです。リストをにらみながら呪文のように単語を唱える、そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。しかし、記憶のしくみに基づいたちょっとした工夫で、単語は効率的に覚えることができます。ここではそうした工夫をいくつか紹介しましょう。


単語を効率的に覚える6つの方法


1. 情報を組織化する

2. イメージを働かせる

3. 深い処理をする

4. 思い出す練習をする

5. タイミングよく繰り返す

6. 寝る前の時間を利用する


記憶のしくみを利用する


 まず、「情報を組織化する」とは、単語を互いに関連づけて覚えるということです。私達は新しい情報をすでに知っている情報と関連づけながら記憶します。そのため、バラバラの情報よりもまとまった情報の方が関連づけ作業がスムーズに進み、効率よく覚えることができるのです。例えば、場面、品詞、接辞、あるいは「その単語が出てきた作品」といったまとまりごとに単語を整理し、覚えると良いでしょう。


 「イメージを働かせる」とは、単語をその視覚的イメージと一緒に覚えるということです。人間の脳は情報収集の大半を視覚に頼っていて、その性質上、視覚的イメージは記憶に残りやすいのです。ある実験では、単語だけを覚えるグループと単語とその絵を一緒に覚えるグループとを比較したところ、後者の方が単語の記憶率が高かったという結果が得られています。イメージが持つパワフルな力を、単語学習にもぜひ利用しましょう。


 「深い処理をする」とは、情報の処理をより「深い」レベルで行うということです。これまでの研究から、単語を単に見たり、発音したり、書いたりすることに比べ、それを意味的に処理することはより「深い」処理となり、それだけ記憶に残りやすくなることが明らかになっています。単語は例文の中で意味をしっかりと確認するとともに、会話や作文といった「文を作る」過程で積極的に使うよう心がけましょう。


 「思い出す練習をする」とは、すなわち、「覚えっぱなしにしない」ということです。記憶には、記銘(覚える)、保持(保つ)、想起(思い出す)の3段階があります。例えば、単語帳を見て単語を覚える行為は第一段階の記銘にあたります。しかし、記銘したからといってそれを後で思い出せるとは限りません。必要な時に思い出せるように、単語学習には想起、つまり思い出す段階まで含めることが重要です。覚え、思い出す練習を繰り返すことで、情報をスムーズに記憶から引き出すことができるようになります。単語帳をただ眺めているだけではだめなのです。


大切なのは「いつやるか」


 「タイミングよく繰り返す」とは、自分にとってベストなタイミングで復習するということです。脳は繰り返し出会う情報を重要なものと判断して記憶するため、記憶には復習が不可欠です。ただ、問題はそのタイミングです。復習のタイミングが早すぎると繰り返しの効果が小さくなり、遅すぎるとせっかく覚えたことを忘れてしまいます。例えば、単語を覚えてから1時間後、半日後、1日後など、色々なタイミングで復習をしてみて、自分にとって最も効率的な復習のタイミングを見つけましょう。また、覚えたことは復習するたびに記憶に留まる時間が延びていきます。最初の復習までの間隔は短く、その後は徐々に間隔を長くしながら、定着するまで復習を繰り返すことが重要です。


 「寝る前の時間を利用する」とは、言い換えると、「覚えて、他の情報が入ってくる前に寝る」ということです。これまでの研究から、記憶は寝ている間に整理され、定着することが分かっています。寝る直前に記憶された情報は、他の情報の干渉を受けることがない分スムーズに整理され、定着すると考えられるのです。実際、ある実験では、単語を覚えてからテストを受けるまでの間に睡眠をとるグループと起きて普通に過ごすグループとが比較され、前者のテスト結果の方が良かったことが見出されています。「覚えて寝る」の手順をぜひ一度試してみてください。

  

 単語力は英語力の根本となる力です。結局のところ、英文は単語からできています。その単語をどれほど知っているかが、英文をどれだけ聞き、話し、読み、書くことができるかに直接関わってきます。もちろん、単語を覚えるのは簡単なことではありません。しかし、その努力が自分の最終的な英語力に直結することをしっかりと認識し、自分に合った色々な工夫を組み合わせながら、根気強く単語学習に取り組んでいってください。

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