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学生特派員からの先輩レポート|東京大学|青山 敦

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2007年11月05日

世界は五分前にできたんだよ。

なんて言ったって誰も信じませんよね。(注:これから話す話は学問としての哲学の話です。 変な宗教の話でも、自分が頭おかしいわけではありませんからご心配なく(笑 受験生は考え込んでしまうといけないので読まないことをお勧めします。

だって今日の朝だって、昨日だって、5年前だって、10年前だって、はたまた自分が生まれる前だって、1億年前だってこの世界は存在したはずだから…

でもその記憶が5分前に全て出来たものだったとしたら…

僕は今日の朝、パンなんて食べてないし、昨日だって友人と遊びになんて行ってなし、東大にだって受かってないし、小さいころ家族とハワイ旅行にだって行ってない…

もちろん嘘のような話である。 たしかに世界が5分前にできたなんて証明することは出来ない。(別に5分という時間はそれほど問題ではないが。)でもあなたはこのことに対して反証することが出来るだろうか? 

あなたは、過去の思い出の写真や思い出の品を持ってくるだろう。 今日食べたパンの袋、昨日友達と買ったアクセサリー、東大合格したときのバンザイ写真、ハワイ旅行の時のお土産…

でもそれもすべて5分前に作られたものだとしたら…

同じように織田信長なんていなかったし、応仁の乱なんてなかったし、ローマ帝国なんて存在しなかったたのかもしれない…すべてが都合よく作られたものだとしたら…

これは有名なラッセルの「五分前世界創造仮説」である。 彼はこう言っています。

「論理的に言えば、記憶されている出来事が実際には起こっていなくとも、そのような
信念は生じうる。 人々もまたまったく非現実の過去を「覚えている」状態で突然存在し始めたのだという仮説を立てても、この仮説は論理的に不可能ではない。」

われわれは普通、現在の様々な証拠と独立に、現実の過去が存在すると考えている。 そしてそれらは記憶や文書、過去の痕跡から推測するのです。 しかし実際に手にすることが出来るのは、現在の記憶や証拠でしかない。 もしかしたらわれわれの記憶は妄想かもしれない…

さぁ、あなたはこのラッセルの懐疑からどうやって抜け出しますか?(近日中解答を公開します。)

参考文献→「哲学の謎」講談社現代新書 著:野矢茂樹
*****************************************
今日は哲学の話をしました。 授業中に話された興味深い話だったので。

もちろんこんな話、常識的にはとんでもなくひどい詭弁に過ぎないですね。 哲学なんて時代遅れの無用な学問だと思うかもしれません。

でも物事を疑って見つめるのが、悲しき?学問の性なんです。 そもそも学問の姿勢とは疑うことであり、哲学は一番古くからある学問です。 面白いと思った人、上記の著書を読んでみてください。 ただ、ハマりすぎるのはよくありません。 哲学はあくまでも言語ゲームですから。


投稿者 青山敦 : 2007年11月05日 21:13

この記事に対する読者の投稿

はじめまして。
このタイトルを見たときなんとなくクリックしたら、非常に興味深い記事でした。
実は僕も時々、「自分の過去は本当にあったんじゃなくて、実は誰かの経験したことをただ知識として持っているだけなんじゃないのか?」っておかしなことを考えることがあります。そんなことあるはずないのに受験勉強の合い間に頭に浮かんできます。
確かにもし自分の過去が全て5分前に作られたとしても、それが嘘であることを証明する手段はありません。
過去の出来事に疑いを持ってしまうのは、「過去に戻れないから」なのではないでしょうか。
戻れないと言うことは、もう一度体験できない・・・
今この瞬間も一秒後には過去になってしまう・・・
そう考えるともう一度経験できないから今を大切にしなければならないと痛感します。
と言うわけで受験勉強もがんばります!!
ためになるお話をありがとうございました。

投稿者 パソ野コン太 : 2007年11月05日 21:55

A君が(ある部屋で)動いているのをビデオカメラで撮影し続ける。それを10分以上の遅れをもたせて別の部屋で再生する。(追っかけ再生) すると映像として10分前に世界があったことが証明される?ちゃんとビデオカメラの時間測定で10分であることはたしかだし、映像が現在まで続いていくから「その映像が実際に10分前のものか」も証明できる?

投稿者 TAKU : 2007年11月06日 16:00

過去なんて関係ないんじゃないのですか?

「我思う、故に我あり」が真理。

今が証明できればそれでよし!!

投稿者 はげたか : 2007年11月07日 18:42

逆にそうであって欲しいッて思う時もありますけどね。嫌なことがあった時とかチ

投稿者 アカウ : 2007年11月08日 16:15

なかなか興味深い話題だったのでコメントしてみたいと思います。

これのテーマは『過去』という物の捉え方にあるのではないかと思います。

私が思うに、現在から過去の記憶や証拠は消え去ってしまう訳ではなく、過去を想像することは可能です。
さらに現時点では、実際にタイムマシンで昔に戻り過去の出来事を体験できる〜というわけでもなく、結局私たちは「現在」にしか存在することが出来ないようなので
過去の存在云々〜は別にあまり気にすることではないのではないかと思います。

投稿者 mik : 2007年11月08日 19:11

TAKUさんへ

その映像をI分前から撮り続けているという記憶も作られる。→世界はビデオを撮っている状態から始まった!って事になるのでは?

投稿者 シェバ : 2007年11月08日 20:42

>パソ野コン太さん、コメント有り難うございます!

結構鋭いところついていますね! 私たちは現在しか経験できないのです。 今の一瞬に全てをかけるくらい全力で頑張ってください! 爆発だ!!!(岡本太郎)

投稿者 青山 : 2007年11月09日 18:04

>TAKUさん、コメントありがとう!

ビデオカメラの映像は過去そのものではなく、あくまでも過去の痕跡なだけなので、シェパさんがご指摘の通り、その記憶も映像も5分前に作られたということを否定することはできないと思います。

投稿者 青山 : 2007年11月09日 18:08

>はげたかさん、コメント有り難うございます!

そうですね。 ただ、詭弁を述べるとすると、「我思う〜」という言葉は、我という存在を前提にいるみたいです。 つまり我という存在を証明できなければ、この言葉は成り立ちません。 だから正確には”我思う我が思う、故に我があると我は思う”らしいです(笑

投稿者 青山 : 2007年11月09日 18:23

>アカウさん、コメントありがとう!

そうだね。 もしかしたら今の出来事も夢の中の出来事なのかもしれませんね(笑

投稿者 青山 : 2007年11月09日 18:25

>mikさん、コメントありがとう!

鋭いですね! 我々は現在にしか存在し得ないことがこの懐疑を否定するポイントです。 だからこそ、過去はどうだったかわからないわけだけど、我々は過去の痕跡を前にして過去とは何なのでしょうかね? 

投稿者 青山 : 2007年11月09日 18:29

>シェパさん、こめんとありがとう!

鋭い指摘です! その通りだと思います。

投稿者 青山 : 2007年11月09日 18:30

そんな青山さんには

「時間の比較社会学 (岩波現代文庫)」

真木 悠介

岩波書店
もオススメです!
おもしろいのでぜひ読んでください☆

投稿者 : 2007年11月09日 19:17

これ見たことあります!!
何で見たかは忘れたけどこの考えは面白かったんで覚えてます(当然解答は忘れてしまってるのですが)
でも、これを考えたラッセルはすごいですよね〜
僕ら一般人の固定観念を覆すようなことが考えられるんですから

投稿者 メカハヤテ : 2007年11月09日 19:51

僕のコメントは哲学からずているように感じますが謎なのでまだおしすすめてみます・・・笑

10分間の映像なので5分前に作られたわけがないのでは?
はじめの時間(ビデオカメラで計測される時間、または時計を映像のなかに入れておくなど)を確認して、「早送り」し10分になることを確認すれば、その映像が10分間あることは事実になる(と思う)。こうすることで一瞬でその映像が10分間であることがわかり、5分前に作られた記憶ではなくて、実際に自分が体験したことだとわかる。10分間の映像は少なくとも10分間ないとつくれない。よって10分前から世界はある。

だめですか?

投稿者 TAKU : 2007年11月10日 17:19

TAKUさんへ
『I分間のビデオがあるから、I分前にも世界は存在している』ということでしょうか?

もしD分前に世界ができたとすれば、それと同時にすべてのものが作られる。当然ビデオも作られる。その瞬間にD分間の自分の記憶と一致する映像が入ったビデオが録画状態で作られたなら、D分後(ビデオはI分を表示している)にビデオを止めて巻き戻すと、世界はD分しか存在していないのにI分の映像がビデオには入っていることになる。

って事でI間のビデオでは証明できないのでは?

投稿者 シェバ : 2007年11月11日 13:46

>匿名さん、コメント有難うございます!

興味深そうな本ですね。 見かけたら読んでみますね♪

投稿者 青山 : 2007年11月11日 23:18

>メカハヤテさん、コメント有難う!

ラッセルという哲学者は、面白い見方しますよね。 固定観念を覆すことって面白いですよね! そこから新しい発見とかがあるのでしょうから。

解答は近日中に公開しますので、お楽しみにしていてくださいね(^−^)

投稿者 青山 : 2007年11月11日 23:23

>TAKUさん、シェパさん、またコメント有難う(^−^)

正直、自分も多少こんがらがってますが、やはりシェパさんのおっしゃるとおりに僕も考えますね。 つまり、5分前に過去の記憶のその痕跡もすべてがその状態で出来上がったのだと考えます。 

投稿者 青山 : 2007年11月11日 23:33

>>ビデオ関連の話題について

ビデオの映像では証明は出来ないと思います。
撮影していた時間にかかわらず(たとえ何十年間録画し続けていたとしても)5分前に世界を作り直す際に、誰かが持っている記憶に反しないような都合のいい適当な映像が入ったテープが作成されるでしょうから。

なんだかんだ言って、「過去」というものは個人の記憶または物質的な遺跡から想像することしか出来ないのでしょう。

投稿者 mik : 2007年11月13日 19:11

>mikさん、コメントありがとう!

そうだね。 我々、人間は「いまがすべて」ですもんね。 詳しくは、解答書いたのでみてくださいね!

投稿者 青山 : 2007年11月14日 10:29



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