大学受験|漢文

名人の授業


名人の授業シリーズ 三羽の漢文 基本ポイントこれだけ!



●漢文は得点源にしやすい科目だ!●

 漢文は、現代文や古文に比べて、比較的短期間で何とかできる科目です。やらなきゃいけない勉強の分量とか、出題のポイントとかが、少ないんですね。
 漢字ばっかり並んでますから、難しそうでとっつきにくい気がして、毛嫌いしたり、食わず嫌いだったりの人が多いんですが、説明されてみると、たいして難しい話ではないってことがよくあります。
 実際、漢文の文章は、複雑な微細な表現にはむいていないし、出題する先生方にも手かげんする気持ちがあって、そんなに難解で長い文章はまず出しません。
 たとえば、共通テストの場合でも、古文に比べて漢文のほうが実は簡単で、しかも配点は古文と同じ五十点! これはオイシイですよ。やらない手はない!
 しっかり必要な勉強をやっておけば、絶対得点源にできる科目ですから、とにかく恐れをなさずに、とりかかってください。

●漢文は技術と知識で点がとれる!●

 漢文という科目は、思考力とか応用力とかじゃない。技術知識で点が取れる科目なんです。
 返り点をスムースにこなせる技術と、否定形とか反語形とかの重要句法の知識が最も重要な武器! プラス漢字の力古典文法の力です。
 たとえば、「王使二人往一」という傍線部を読め、という問題があった場合、まず、使役形の「~ヲシテ~しム」の形だと気がつくことが第一ポイント。この段階で勝負はついてしまいます。「人をして」と読むなんてことは、考えてわかるものじゃありません。で、「王人をして」のあと「往」から「使(しム)」へ返るわけですが、「往」は「ゆク」と読むんだという漢字の知識と、「ゆク」は四段活用の動詞だから、未然形に接続する「しム」に返るには「往かしむ」になるという古典文法の力が必要になります。

●漢文の世界は楽しくてエライ!●

 さて、これから漢文の句法の勉強をやるんですが、一つ一つの例文から垣間見える漢文の世界は、なかなか面白く楽しいものです。それに、いいこと言ってるなあ、と思えるような、ためになる言葉も多いですよ。

 なんたって、中国三千年の歴史ですからね、奥が深いんです。昔の日本人はとにかく圧倒的な中国の文化を受容することで日本の文化をつくってきたわけで、漢文で勉強するようなことは、今日でも無意識に私たちの血の中に流れていると言っても過言ではありません。
 漢文の基礎になる勉強をしながら、ぜひ漢文の世界の面白さも味わってほしいと思います。
それでは、講義をスタートしましょう。

三羽邦美

閉じる