大学受験|古文


一目でわかるハンドブックシリーズ 一目でわかる古文ハンドブック



●古文は「知識」が土台の科目だ!
 英語でも、数学でも、どんな科目でもそうだが、勉強するためには、勉強する段階に早く入るための基本的な知識を頭に収めなければならない段階がある。
 古文の場合は、言うまでもなく「文法」と「単語」である! この土台になる知識があって初めて「読解力」ができてくる。「読解力」があってこそ、古文が読めるようになり、読めるからこそ、古文が面白くなる(かもしれない)のだ。もちろん、古文を勉強するのは、たいていの受験生にとっては、受験に必要だからであって、当面する30~50点を何とかしなければならないからである。そいつを何とかする力の土台が、古文では「文法」と「単語」なのだ。

●文法は、判断のポイントを押さえよ!
 受験のための文法は、いわゆる「古典文法」のテキストのようなものを、すみからすみまで網羅する必要はない。かなり細かいことまで出るようなケースは、文法問題全体からすれば、まさに、万が一、である。出やすいポイント、毎年のようにどこかの大学に出る頻出ポイントを、しっかり絞り込んで、その頻出ポイントに習熟しておくことが肝心だ。
 さらに大事なのは、たとえば、助動詞「る・らる」には「受身・可能・自発・尊敬」の意味があります、ということを覚えるだけでなく、どんな場合は「可能」である、というような、判断のポイントを理解することである。そういう力が、問題を解く力に直結する。特に、共通テストや私大入試では、文法の力が正解の判断のポイントになる問題が多い。

●単語は200~300が重要レベル!
 文法ができても、単語がわからないと読めないのは、英語と同じである。
 どれくらい覚えなければいけないのか? 欲を言えば800とか1000とかになってしまうが、本当に重要なのは300語ほどであろう。第4章では、無味乾燥なアイウエオ順や品詞別でなく、いくつかのグループ分けを試みた。第4章の276語と、第1章の「陳述の副詞」、第2章の「敬語動詞」を合わせると約300語になる。これくらい覚えれば、かなりなレベルに対処できるだろう。

●古典常識の読みと文学史は点に直結する!
 第5章の古典常識は、古文の世界に親しんでもらうために大事なのだが、入試問題としては、住居や服装などの読みの問題レベルでよく出る。
 第6章の文学史は、私大レベルでは非常に多い。国公立大レベルでも意外に出ているし、共通テストでも、出典のジャンルによっては注意しなければならない。
 こうした、ズバリ「知識」の問題は、知っているか知らないかで勝負はきまりで、知っていれば、これほど点に直結するカンタンな問題はない。必ず勉強しておこう。

●古文を楽しんで合格をめざそう!
 受験のために勉強するのだとは言え、このハンドブックレベルがモノにできれば、けっこう古文ができるようになるはずだ。できるようになったり、点が取れて成績が上がったりすると、古文が面白く思えるかもしれない。この本を使って、志望校合格を果たしてくれるとともに、願わくは古文の世界の面白さに触れる機会もあるような受験勉強であってほしいと思う。

三羽邦美

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