大学受験|古文

名人の授業


気鋭の講師シリーズ 富井の古文読解をはじめからていねいに



マニュアルを身につけて、どんどん古文を読解していきましょう!
結局古文を読むことでしか、古文は得意になりませんよ!!
 みなさんは古文という教科を攻略するために、どのような手段・やり方を想像しますか?
 受験生は一様に、「古文単語と古典文法を身につけなければ」と最初に思い浮かべますよね。確かに古文は、単語や文法といった知識的な条件がそろっていないと、読み始めの一行目から何が書いてあるかが全くわからず、パニックになってしまう恐れがあるのも事実です。
 ただ、単語や文法を一通り暗記しただけで、スラスラと古文を読解することができるのでしょうか。実際のところ、なかなかそうはいかないのです。なぜならば、古文単語も古典文法も、「文脈」を理解してはじめてその知識が生かされるからです。

 例えば、次々と古文に出てくる古文単語の意味には色々ありますが、暗記した意味が一〇〇%そのまま使用されているとは限らず、結局はその文脈に合った意味をあてはめなければなりません。古典文法においても同じです。確かに助動詞の意味の決め方にはテクニックが存在しますが、最終的には文脈を考慮して意味を決定しなければなりません。
 つまり、本書でやるような「読解法」を学び、どんどん古文を読んで文脈をつかむ力をつけなければ、単語や文法の知識を殺してしまうことになるのです。

 受験生のみなさんを見ていると、単語や文法の知識を身につけるための時間は、もしかしたら私が受験生のときよりも多いのではないかとすら感じます。
 しかしその反面、そうやって覚えた知識を、実際の古文を読みながらどんどん使って確認していくという時間が非常に少ないように思われるのです。それでは古文の試験で合格点を取ることができません。単語や文法の意味をある程度チェックしたら、どんどんと古文読解をしていってほしいと思います。定着と実践の同時進行、それが古文の上達するポイントなんです。

 さて、その古文読解ですが、そこには確固たる「読解法」なるものが存在します。本書では、ともすれば複雑・難解に感じられてしまうことの多いこの古文読解法を、はじめからていねいに、最大限ビジュアルに解説します。少しずつ無理なく進むスモールステップ方式ですので、次第に実力をつけていく感覚も味わっていただけるかと思います。本書を読み終えたとき、みなさんの手もとには古文の読解法が凝縮された別冊「ビジュアル古文読解マニュアル」が必ず残りますから、楽しみにしてついてきてください。

 ちなみに、今回は本書の姉妹書『富井の古典文法をはじめからていねいに』で登場したブタネコ・三日ネコと共に、鬼ヶ島に鬼退治に行くという対話式ファンタジー仕立てになっておりますので、このネコたちをみなさん自らの姿の投影として学習していただければ幸いです。
 古文は本当に楽しく、奥の深い教科です。古文読解の力がついてくるうちに、この教科の本当の魅力に気づくことでしょう。そして、真の実力とは、真の興味のもとに宿るものなんですよ。
富井 健二

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