大学受験|漢文
一問一答
高速マスターシリーズ
漢文 一問一答【完全版】
■要領よく正攻法の勉強を!
漢文は、実は、中身もなかなかためになるし、返り点を返って読むなんていうやり方も、面白いと思えば面白い科目なのですが、漢字ばかりの堅苦しさゆえに、敬遠されがちな科目でもあります。
勉強というのは、漢文に限らず、どんな科目でもそうですが、「わかる」ようになったり、「できる」ようになったりするまでには、つらくても我慢して努力しなければならない段階があります。
そのときに大事なのは、安易な方法はないが、要領のいいやり方はあるということです。時間も無限にあるわけではなく、根気も限度がある以上、できるだけ効果的に勉強することは、大切なことです。
この「一問一答」は、それを第一のコンセプトとして企画しました。中身はあくまで正攻法の手順ですが、これが、どんな奇抜な方法論よりも、最も要領のよい、真っ当なやり方なのです。
■ポイントに気づく知識を身につけよ!
漢文は、「知識」の土台が必要な科目です。問題の演習の段階に入るためには、土台になる知識を身につけなくてはなりません。
その点は、古文の勉強も同じで、古典文法や古文単語や古典常識や文学史などの勉強をするはずです。
ところが、漢文の場合、そのやらなければならない勉強の分量、身につけなければならない知識の分量が、古文に比べて非常に少ないのです。それでいて、共通テストなどでは、古文も漢文も五十点ですから、漢文は、少ない労力で得点源になりやすい科目だと言っていいでしょう。
漢文の問題は、出題者の側に「漢文であまり深い問題を出すのは厳しいだろう」という手加減の意識があります。そのため、ついつい、使役形の読み方とか、反語形の解釈とか、何をきいているかのポイントが見えやすい問題を出しがちです。
要は、そこに気づくことが大切なのです。
■漢文の勉強はとにかく「句法」だ!
返り点をたどって読める「訓読」の力は、受験レベルとしては前提としておきますが、大事なのはスピーディーに訓読できることです。
訓読して「読めた」内容が「わかる」のが「読解力」です。読解力のもとになるのが「句法」の知識で、漢文の受験勉強はとにかく「句法」です。
例えば、次のような、送りがなのない傍線部を書き下し文にせよという問題があったとします。
王 使二管 仲 事一。
これを見たときに、すぐに、あ、これは、「…をして…しむ」と読む使役の公式だと気づかなければいけません。「使」が「しむ」ですが、直下の名詞、ここでは人名の「管仲」に「ヲシテ」という送りがなが必要だということは、考えてわかるものではありません。
そして「事」から「しむ」へ返るのですが、ここで必要なのは、「事」は「つかふ(=仕える)」と読む動詞だという「漢字」の知識と、「つかふ」はハ行下二段活用で、「しむ」へ返るには未然形にしなければならないという「古典文法」の知識です。
答は、「王管仲をして事へしむ」です。
どうでしょうか?
「句法」「漢字力」「古典文法」が、漢文の力の三本の柱です。
その土台の知識をもとに、あとは、実際の入試問題ではどんな問題が出るのかを練習することが、もちろん大切です。実戦的な問題練習の量をこなすことが、本番の問題を目の前にするときの自信につながります。
「敵を知り、己れを知れば、百戦あやうからず」です。しっかり対策を練りましょう。
この「一問一答」が、まずは土台をしっかり身につけるための、要領のよい勉強の力になってくれることを願っています。
三羽 邦美