語学


今すぐ話せる!シリーズ いちばんはじめの広東語会話

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 国土交通省の発表によると、2016年の来日外国人は2,500万人の大台に迫る勢いであり、訪日外国人数はかつてないほど増えています。国・地域別では中国、台湾、香港からの訪日者数だけでも約1,238万人に達し、人々の往来や文化の受発信も地球規模で活発化しています。
 中国と台湾から来る観光客のほとんどは標準語である一般的な中国語を話しますが、香港やマカオ、広東省、広西省などの一部地域から来る観光客の大部分は方言である広東語で会話します。最近では、銀座や新宿、渋谷などの繁華街でテンションの高い広東語が耳に入ってくることも珍しくありません。
 世界で広東語を話す人は、一説では1億2,000万人以上といわれています。中国から外国への移住者の中では広東系の人々が非常に多く、特に米国・カナダ・豪州・ニュージーランド・欧州・東南アジアなどの地域に移住した広東系の人々も内輪の交流では広東語を使っています。広東語が通じる場所は世界に多く点在し、広がってきているのです。
 広東語圏では現在、広東語はテレビ・映画・新聞・雑誌・インターネットなどにも登場し、一方言の範疇を遥かに超え、国際的にも重要な言語の1つとして認知されつつあります。社会の変化とともに、広東語の語彙、習慣用語にも大きな新陳代謝がみられ、広東語そのものがより変化に富んできました。このような時代の波に合わせた改訂版の出版が、広東語学習者のみなさんにとって“及時雨(恵の雨)”になることを願っています。
 日本に関心を寄せ、興味を持つ広東系観光客の来日はさらに増加すると予想されます。また、世界との結びつきをこれまで以上に感じる日々の中、香港、マカオ、中国へ訪れる日本人も増えていくでしょう。
 本書が日中間の民間交流を深化する一助になれば、著者にとってこれ以上嬉しいことはありません。

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