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名人の授業


宮内の教科書レベルから入試につながる物理【力学・熱力学編】

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 本書は「よし、物理の勉強をしっかりやってみよう!」と思った方のための参考書です。   
 今の段階で物理が苦手でも得意でも、好きでも嫌いでも、それは大きな問題ではありません。「やってみよう!」という気持ちがあればOKです。
 物理の勉強をすすめる上で、とても大事なことがひとつあります。「簡単な問題」とはなにか、「難しい問題」とはなにかを、しっかり理解しておくことです。例えば、ちょっとくだけた表現になりますが、
  運動方程式はいつでも(質量)×(加速度)=(力)という形である
という「運動の第2 法則」というものがあります。単純な現象でも、複雑な現象でも、教科書の練習問題レベルでも、難関大学の入試問題でも、用いる運動方程式の形自体が変わることはありません。ただ、「簡単な問題」では、ぱっと見たときに運動方程式を使えば解けることがわかったり、扱う力の数が少なかったりします。「難しい問題」では、運動方程式を使えば解けることになかなか気付けないような現象だったり、扱う物体の数や力の種類が多かったりします。
 では、その「難しい問題」にも対応できるようにするためにはどうすればいいのでしょう。物理の問題を解くということは、
   どんな現象が起こっているかを問題文からしっかり読み取り、
   それを表すために最も適した物理量や関係式を選んで、
   ただしくその関係式を用いる
ということです。そこに必要なのは「何が起こっているかを読み取り」「適した関係式」を選ぶことのできる分析力と、「どのような物理量や関係式があり」「それぞれはどのように用いるか」という知識です。「ひらめき」や「イメージ」なんて、全く必要ありません。本書は、この分析力と知識を身につけてもらえるような構成になっています。
 各講では、その単元で扱う物理量や関係式についての説明をしています。1 回ですべてわかろうと思わなくて大丈夫です。時間をおいて何度も読んでいくうちに、初めは難しく感じたところもしっかりと理解できるようになるはずです。この部分で、物理量や関係式の性質や使用上の注意などを徹底的に身につけてください。
 章末には演習問題を用意しました。これは、近年実際に出題された入試問題ばかりです。各講をしっかりと学習した後であれば、入試問題も案外簡単に解けてしまうだけの力がついているはずです。「あれ? 難しいなあ」と思うことがあれば、講義内容をもう一度しっかりと確認してくださいね。
 入試物理は、必ずだれでもできるようになる科目ですが、人によって必要な時間が少し違います。とても短時間でマスターできる人もいれば、少し時間がかかってしまう人もいるかもしれません。でも、ひとつひとつの物理量や関係式をきちんと押さえていけば、少し時間がかかっても必ずマスターすることができます。

 本書が、皆さんの物理での座右の書となれば幸いです。

東進ハイスクール・東進衛星予備校
宮内舞子

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