大学受験|現代文

共通テスト対策


東進 共通テスト実戦問題集 国語〔現代文〕

◆現代文の本質的な力を身につける
 「先生,共通テスト現代文の勉強って何をすれば良いですか? あんまり過去問もないし,傾向とかもよくわからないし……」。このところ,受験生からよく寄せられる声だ。そして,そのような声に応えるべく書かれたのが本書だ。本書に真正面から取り組むことで,「形式の変化にとらわれない本質的な力」を身につけ,自信を持って本番に臨んでほしい。

 本書の特色は、以下の三つだ。

①一貫した解き方の提示
②圧倒的にわかりやすく、充実した解説
③精選された題材

 第一に、一貫した解き方の提示。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は今後当分の間、選択式の設問形式で実施される見込みだが、みなさんは、選択式の設問の正しい解き方を身につけているだろうか? 本書では、選択肢を見る前に、自分の頭のなかに【正解のイメージ】を作るという解き方を、一貫して提示する。本書で演習を積み、解説を読み込むことによって、制限時間内に高得点を獲得することを可能にするこの解き方を、体に覚え込ませてほしい。
 第二に、圧倒的にわかりやすく、充実した解説。「なぜそこが根拠になるのか」「なぜその選択肢が正解になるのか」「なぜこの選択肢は誤りなのか」。本書では、なるべく読者に疑問を残さない解説を心がけた。QRコードを使った解説動画も存分に活用してほしい。
 第三に、精選された題材。現代文を得意科目とするには「読む」と「考える」の循環が不可欠だ。読むことがものを考えるきっかけになる、普段からものを考えているから読める。その循環に入ったとき、現代文という科目は「楽しい」ものとなる。本書では、読者が楽しんで読むことのできる題材、興味を持って読むことのできる題材、「考えるきっかけ」となるような題材を精選した。

◆勉強に向かうモチベーション
 我々が何かを行う動機付け(モチベーション)には二種類ある。内発的動機付けと外発的動機付けだ。内発的動機付けとは、当人の内側から生まれるモチベーション、つまり、やりたいからやる、あるいは好きだから、楽しいからやる、というものだ。それに対して、外発的動機付けとは、それを行う理由が外にある状態、たとえば、やらなければ怒られるからやる、あるいはやると報酬が得られるからやるというものだ。
 多くの受験生にとって、受験勉強とは志望校合格を勝ち取るためにするものであり、その意味でそれは外発的動機付けに支えられたものであろう。しかし、もし、そこに勉強自体の面白さを見出すことができるなら、つまり内発的動機付けにも支えられた受験勉強というものがあり得るならば、それは非常に強い勉強のモチベーションとなり、勉強を続けることが苦ではなくなるはずだ。そして自ら能動的に楽しんで行うものは上達も早い。「なるほどなぁ……」「なんでだろう?」「たしかにそうだなぁ」……ぜひ、自分の頭と心を動かして、楽しみながら本書に取り組んで欲しい。
 ある文章と出会い、それを理解するということは、単に知識を得るということにとどまらず、その文章との出会いによって自分が変化するということでもある。本書が、共通テスト現代文を解くために必要な知識やノウハウを授けるものにとどまらず、読者が自ら考え、自分の思考を創造し、自分の精神世界を深めていく、そのきっかけともなれば幸いである。

2021年9月
輿水 淳一

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