大学受験|物理
共通テスト対策
東進 共通テスト実戦問題集 物理基礎
本書は,大学入学共通テスト「物理基礎」対策の問題集である。本番と同じ形式のオリジナル問題5 回を収録している。
◆共通テスト「物理基礎」の傾向
共通テストは,高校物理の教科書程度の内容を客観形式で問う試験と位置付けられている。ただし,単に公式を当てはめて計算するだけではなく,身のまわりにある現象を素材にしたり,会話形式や実験を取り入れたりするなど,多彩な問題設定での出題となっている。そのため,単なる公式の暗記だけではなかなか得点に結びつきにくい。
◆共通テスト「物理基礎」の対策
物理の基礎は「物理量と関係式を正確に理解し用いること」であり,これは物理基礎でも変わらない。よって,まずは教科書や傍用問題集などを用いて,物理の基本公式をしっかりとおさえよう。さらに,物理基礎では,関係式は用いずに物理現象の概要のみを押さえる部分や,各物理現象を確認するための実験などもあるので,これらについても教科書をしっかりと読んでおこう。そのうえで,客観式の問題形式や共通テスト特有の出題に慣れるための演習をしっかりと行うことが重要である。
◆本書の活用方法
本書では,本番と同じ形式のオリジナル問題を5 回分掲載している。すべての分野について基本的な傍用問題集などの演習を終えたら,まずは時間を計って問題を解いてみよう。一般に物理基礎の試験時間は30 分と考えられるが(理科基礎2 科目で60 分のため),ここでは25 分を目処に問題を解いてほしい。解き終わったら採点をし,解説を読もう。そしてここからが大切なところである。自分が間違った問題について,まずはそれが「①知識に関するもの」であるのか,「②式を用いて考えるもの」であるのかを分類しよう。
「①知識に関するもの」であれば,まずは教科書などで該当分野を調べよう。知識に関する出題は,式を用いることはしないが定性的に現象をとらえるもの(電磁誘導など)や,身のまわりで起こっている現象や活用されている技術(エネルギーについて)などがある。また,知識を問う問題は正誤問題の形式で出題されることが多い。この場合,正しい選択肢以外の現象についても一緒にインプットしてしまおう。
「②式を用いて考えるもの」については,手を動かして演習をすることがとても重要である。まずは,どの単元からの出題であるか(運動方程式,気柱の共鳴など)を確認しよう。次に,間違えた問題を解き直すだけでなく,その問題と同じ単元の問題を問題集などで探してしっかりと演習しよう。また,数値計算の問題も出題されるので,計算ミスがないよう,計算までしっかりと合わせるようにしよう。
受験生の皆さんにとって,本書が得点アップへの道しるべとなれば幸いである。
2022年2月 宮内舞子