大学受験|物理

共通テスト対策


東進 共通テスト実戦問題集 物理

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 本書は,大学入学共通テスト(以下,共通テスト)物理の対策問題集である。2021 年度に実施された共通テストの出題形式をもとに作成したオリジナル問題5回分とその解答解説を収録している。解答解説では,問題の解説に加えて出題内容に関連して確認しておきたい事項を「ポイント」として記載した。ここには一般的な受験生が忘れがちな項目を選んで載せたので,解説と共に目を通しておくとよい。

◆共通テストに向けた勉強について
 共通テスト物理では,複雑な計算や難解な設定の問題は出題されない。一方で暗記した公式を機械的に当てはめれば答えがでるような出題もあまりない。結果を暗記するのではなく過程を理解する,という物理の王道の勉強を積み重ねることが,最もよい共通テスト対策となるだろう。
 共通テストに向けた勉強は,まずは教科書や解説書,学校や予備校の授業ノートなどを使って基本的な事項を理解することから始めよう。どんな現象が起こるのかイメージできていないまま演習問題だけを解き進めると,「何が起きているかわからないが,とりあえず公式と解法を暗記する」勉強になってしまう。そのような勉強を続けると「普段使っている問題集の問題は解けるのに,試験になるとさっぱり解けない」症状に陥ってしまうので注意しよう。
 物理現象をある程度理解したら,演習問題を解いていく。このとき必ず,自分の手で図に力や電流を書き込みながら式を作ること。必要なら,問題で与えられた図とは別に自分で図を描こう。物理が苦手で,問題を前にして体が固まり手が動かなくなってしまう人は,「解法を思い出してから書き始めよう」ではなく「手を動かし図に情報を書き込みながら解法を探っていこう」と考えてほしい。また物理が得意な人も,見落としや勘違いを防ぐために,図に情報を書き込んでから式を作るようにしよう。共通テストで高得点を狙うには,ミスの数を0に近づけていく必要がある。
 上で述べたことは,共通テスト対策というよりは物理の一般的な勉強方法である。共通テストでは,毎年物理現象の本質を問う良問が出題される。物理現象を理解し,数式やグラフで表現する訓練を積む,そんな王道の勉強が大切である。

◆本書の活用方法
 本書には5回分の問題が掲載されている。まずは本番と同じ60 分をきっちり計って,時間配分を意識しながら解こう。解いたあと,得点に一喜一憂する必要はないので,間違いの内容を分析すること。分析した結果に応じて取るべき対策については「解説動画」で詳しく説明しているので,参考にしてほしい。
 最後に,間違えた問題はチェックしておき,1週間くらいあとにもう一度解き直しておこう。類題が出たら次は正解できる,という自信を持つことが大切である。
 物理には手っ取り早く点数をアップさせる裏技はないが,正しく勉強すればその分必ず力がつく。受験生の皆さんの健闘を祈る。

2022年2月 高柳英護

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