大学受験|世界史

一問一答


世界史B 一問一答【完全版】3rd edition

message.gif


 世界史は,「適切な努力」を重ねれば飛躍的に成績が伸びる科目です。
 では,「適切な努力」とは何なのか? それは,インプットとアウトプットを繰り返すことです。

 古代ローマ史を例にお話しましょう。インプットは,2段階に分けて考えてください。
 1段階目は「世界史を理解すること」です。まずは,塾や予備校,学校の授業,教科書や参考書など,何でも構いませんので,古代ローマ史の流れを最もわかりやすく自分自身に伝えてくれるものを探してみてください。それらを活用して歴史の流れを理解し,皆さん自身が古代ローマ史を友人に教えられるようになるのが理想です。ここでの注意点は,「まだ,用語は覚えてなくても良い」ということ。テキストなどを見ながら大まかな流れが説明できるようになればOKです。
 2段階目が「用語の暗記」です。その際に,本書を活用してください。古代ローマ史の大まかな流れを理解したうえで,本書を使うと非常に効率よく用語の暗記ができます。
 7〜8割くらいインプットができたならば,次はいよいよアウトプット。市販の問題集などで構いませんので,古代ローマ史の問題を実際に解いてみましょう。その結果,自分の知識の曖昧だった部分が明確になりますよ。そこで見つかった“穴”を中心に,また本書を活用してインプットしなおす……これを反復することで,古代ローマ史が次第に得意範囲となっていくのです。

 以上が「適切な努力」の具体的な方法です。ここで注意してほしいのが,本書をインプットの1段階目には用いないことです。全体の流れが理解できていないのに「一問一答」集で用語の暗記を進めていくと,「用語だけは知っているけれど,意味はわかっていない」,つまり,「努力はしているけれど,成績は伸びない」という残念なパターンに陥ってしまいます。本書の有効活用方法は,とにかく「インプットの2段階目!」を意識してください。

 本書を監修するうえで,インプットの2段階目として最も威力が発揮できるように以下の点を工夫しています。
 どの用語を優先的に覚えるべきかを明確にするために,空欄にマークを入れて,3つのレベルで優先度を示しました。★★★は,「共通テスト」「国公立」「私立」,あらゆる入試問題に対応できるように,すべての受験生に覚えてほしい用語です。★★★★★で,「よく出る用語」と「まあまあよく出る用語」を区分けすることも考えましたが,中途半端に区分けするよりも,覚えるべき用語をとにかく明確にしようという意図があります。かなり量は多くなりますが,頑張りましょう。★★★レベルをしっかりと覚えてくれれば,どこの大学でも合格点を狙える知識は身につきます!
 ★★は,難関私大で出題されるようなややマニアックな語句,もしくは頻出用語ではあるものの,問われ方が特殊なものです。ここまで覚えていなくても合格点は狙えます。★★★がある程度仕上がったら,手を出してみてください。
 最後には,激レアな用語,もしくは問われ方のものです。「世界史では誰にも負けたくない!」という,“世界史王”をめざす人のための用語です。
 さらに,空欄以外の部分でも重要語句はこのような赤文字 に,キーワードになる部分は太文字にするなど工夫を凝らしました。問題文の下の◆で始まる文章は,歴史の広がりを意識し,興味関心を呼び起こせるようにスタッフ一同でまとめたものです。ぜひ読んでみてください。
 加えて は,私の長年の受験指導経験の中で得た,受験生が模試や確認テストで間違えやすいポイントをまとめました。よく出題されるポイントです。優先的に頭に入れておきましょう。

 このように工夫を凝らした本書ではありますが,皆さん自身が本書を使い込む中で,間違ってしまった点や知らなかった知識を補足するなどして,自分色にバージョンアップしてほしいと思います(書き込み大歓迎!)。受験会場で本書を見た際に積み重ねてきた努力が実感できるよう,ボロボロになるまで使いこなしてもらえると幸いです。

 「世界史」は努力を裏切りません。皆さんにとって,本書が世界史学習の救世主になるよう祈っています!


三訂版監修によせて
加藤 和樹

閉じる