大学受験|生物

一問一答


生物 一問一答【完全版】

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 こんにちは。田部です。
 私が予備校で生物(学)を教えるようになって約40 年が過ぎました。その間,多くの受験生と次のような会話(質疑応答)を繰り返してきました。

A君「 生物(学)用語って,いったい何個あるんですか? そのうちの何個が受験に必要なんですか?」
田部「 生物(学)用語は数万語はあるね。でも入試に必要なのは教科書にある用語だけだよ」
A君「 教科書っていろいろな出版社から出てるじゃないですか。私がもってる教科書だけで大丈夫ですか?」
田部「原則,大丈夫。重要な用語はほとんどの教科書で共通してるよ」
A君「教科書は,太字の用語だけでいいんですか?」
田部「 まず,太字の用語。次に本文中の太字以外の用語,さらに本文中の図内の用語ね。また,コラム(参考など)中の用語もね。余裕があれば,欄外(脚注)の用語もやろう」

B君「 教科書の用語を覚えたあとは,何をやればいいんですか? 入試って,穴埋め式問題の他にも「用語の定義や意味」などを答えさせる論述式問題,正しい用語や意味を選ばせる選択式問題などもあるじゃないですか。それらの対策はどうすればいいですか?」
田部「 教科書の索引を見ながら,そこにある用語の1つ1つについて,その正しい意味や定義を言えるかどうかの確認をしてみなさい」

C君「 教科書にある用語は覚えたつもりなんですけど,過去の入試問題(過去問)をやると,穴埋め式問題すらできないことがあるんです。どうしたらいいんでしょうか?」
田部「暗記が不十分なのではないかい。用語を正確に暗記してごらん」
C君「 結構マジで覚えたんですけど,入試問題には“独特の解きにくさ”ってありませんか? その“解きにくさ”にやられることがあるんです」
田部「 確かに“入試問題独特の解きにくさ”はあるけど,用語の名称と定義・意味をちゃんと覚えておけば心配ないさ」

 このように,私は精一杯,まじめに答えてきたつもりですが,質問した受験生は「スッキリ納得」とはならなかったことでしょう。A君は,「結局,何を覚えればいいんだろう?」,B君は「自分の言った答えが正しいかどうかの確認はどうすればいいんだろう?」,C君は「“入試問題独特の解きにくさ対策”ってないのかなあ…」などと思ったかもしれません。私自身も,漠然とですが,「もっと明確な答えを示してあげたい」と思っていました。
 そこで,このような質問(悩み)がある受験生にとっての答え(対策)になるようなものを作ろうと考え,「生物」について,次のような特長をもった本書を書き上げました。

1.多くの大学(140校以上)の過去問を多年度(5年以上)にわたって調べ,用語問題のすべてをチェック・集計・数値化したデータをもとに,選ばれた問題が収録されている。⇒受験生A 君への答えとなる。
2. 一問一答」という書名ではあるが,単に用語の名称を答え(記述)させる問題の他に,用語の名称からその定義・意味・特徴などを答えさせる論述式問題や,選択式問題などから構成されている(詳細はp.10~11)。⇒受験生B君への答えとなる。
3.日本全国の国立大学・公立大学・私立大学の過去問から選んだ問題を,できるだけ入試問題そのものに近い形(解きやすくしたり,答えが1つに絞られるような修正が加えられていない,いわゆる“生(なま)”の形)で収録した。また,1つの用語について,切り口の違う設問や,異なった文章表現を伴う問題があれば,同じ用語であっても複数の問題を収録した。⇒受験生C君への答えとなる。

 本書を十分に活用して,まず入試に必要な「生物」の用語を固めてください。次に,必要なら用語問題以外の対策を行いましょう。そして,入試で高得点を取り,志望校へ合格してください。君たちを心から応援しています。

 本書の作成にあたり,中井邦子さんには,教科書用語の分析,収録問題の選出,受験生の立場に立った原稿のチェックなどにおいて,私の片腕として頑張っていただきました。を行っていただきました。和久田希さんには,しっかりとしたスケジュール管理とこまめな原稿の受け取りなどを通して,本書を完成に導いていただきました。また,企画・大量のデータの集計・編集にあたり,八重樫清隆氏をはじめとする東進ブックスの皆様には大変お世話になりました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。

2022年4月 田部眞哉

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