大学受験|小論文

名人の授業


正司の小論文 探究の教科書

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 東進ハイスクール・早稲田塾で小論文を教えている,正司光範といいます。
 本書は,難関大学の入試で小論文が必要だけど勉強したことがない方や,これから小論文対策を本格的に始めたい方を対象にしています。高校でもなかなか小論文の書き方は指導されていないので,どうやって小論文を書けばいいか,最初はわからないものですよね。
 小論文は自分の思ったことを書くエッセイではありません。あるいは,あなたの「ちょっとした思いつき」や「安易な解決策」を書くことが求められているわけでもありません。それらを一生懸命書いたとしても,「それってあなたの感想ですよね」と言われるだけです。それはとても悲しいですよね。
 小論文とは,あなたの主張を「証明」する科目です。数学が数式を使って証明するのと同様に,言葉によってあなたの主張と根拠を証明する。その証明の質によってあなたの小論文の評価が決まります。そこで問題になるのは,受験会場で皆さんがどのようなプロセスで,その「証明」を行っていくかです。

 近年の大学入試の小論文は今話題の「探究」の能力を問う問題ばかりです。様々な知識を総合的・統合的に活用して,現代社会の複雑な課題やその原因を的確に把握する。さらには,他者と議論を深めて解決策を導き,主体的に問題を解決する。小論文で高得点を取るには,そのような高度な能力の養成が必須になっています。
 さらに法学部であれば法律学や政治学,文学部であれば哲学や文学,理系の学部であれば最先端のサイエンスやテクノロジーなどの,現代的で極めて重要なテーマが扱われます。
 皆さんも志望校の過去問を見てみると,こんな複雑な問題をどのようなプロセスで解いていったらいいのか? そんな不安を感じるかもしれません。しかし,大丈夫です。難関大学の問題は極めて優れていて,観察・分析を積み上げていけば,すっきりと解けるように作られています。

 本書はアカデミックな研究をベースにして,[1]設問の理解,[2]資料の読解,[3]レジュメ作成,[4]文章化,という論文作成のプロセスを懇切丁寧に解説していきます。科学的思考力を発揮して,現象を観察・分析する能力を磨き上げていきます。しっかり学習すればどんな問題でも解答を導けるようになります。
 「小論文には型があって,当てはめるだけで書けるようになる。」「このテーマにはこの内容を書けば,合格する。」本書は,そんな巷にあふれる小手先のテクニックを解説した参考書とは一線を画します。
 大学入試は大学からのメッセージです。大学の教員はこれから入学する学生に想いを込めて,入試問題を作成しています。必要なのはそんなくだらないテクニックではなく,大学の学問に真正面から挑もうとする意欲そのものです。本書は入試の範囲を超えて,一生役に立つ問題発見・解決の能力を一歩ずつ高めてほしい。そんな気持ちを込めて「探究の教科書」という副題をつけました。
 最高の才能は,好奇心です。これから学ぶ未知の学問について,ドキドキワクワクする感覚。新しいことを知る喜び。そんな知的好奇心があれば,能力は自然に身に付きます。覚悟を決めましょう。

選択の良し悪しは,選択後の努力によって決定される。

正司光範

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