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名人の授業


鎌田の化学基礎をはじめからていねいに【改訂版】

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 本書『化学基礎をはじめからていねいに』は,化学を初めて学習する人や化学が苦手な人を対象に,化学基礎の内容をしっかりと理解して,知識を身につけ,知識どうしを結びつけて考えられるようになってもらうことを目的としています。そのため,タイトルにあるように,できるだけ“ていねいに”順を追って説明しようと心がけ,平易な表現で執筆しました。
 ただ,世代や学習経験の違いによって共有できる言葉や表現が限られてしまいますし,読書習慣のない人にとっては文章を目で追うだけで精いっぱいとなり,内容が頭に入らず途中で挫折してしまうかもしれません。
 そこで,次のような工夫をすることにしました。

 (1)ページ下にReading Hintsとして化学以外の用語も簡単に説明する。
 (2)改行を多くし,会話口調の文体にする。
 (3)前後の文章の内容を端的に表した図や表を掲載する。

 人によっては,くどいと感じるかもしれません。しかし,「どこがわからないかすらわからない」という人も含めて一人でも多くの人に最後まで読み通してほしいという思いから,このような形をとっています。

 化学が苦手な人や初学者の人は,第1章から気軽に読んでください。問題演習はあとにまわしていただいてけっこうです。ただし,元素名と元素記号,物質名と化学式だけはできるだけ最初の段階で覚えることをおすすめします。第2章まで読み進めた段階でこれらをまとめて記憶すると,第3章以降もすんなりと読み進めていけることでしょう。
 もしかしたら,途中すぐには理解できない内容があるかもしれませんが,まずは気にせず最後まで読んでください。読み進めていくうちに慣れていく部分も多々あります。それから,もう一度“ていねいに”読んでください。問題演習をしてみるのもいいと思います。おそらく「あっ,ここがわかってなかった」と気づき,勉強を始めた頃より進歩している自分に自信がもてることでしょう。その段階までくると,なんとなく自分なりに化学基礎の全体像を理解できるようになっているのではないでしょうか。

 ある程度学習が進んでいるという人は,自分に必要な章から読んでください。問題演習から手をつけてみるのもよいかもしれません。もし,すぐに理解できない場合は最初の章から読んでください。おそらく,理解が不十分なところがみつかるのではないでしょうか? みなさんが化学基礎を学習する際,本書が手助けになれば幸いです。
 最後になりましたが,本書の刊行にあたっていろいろな工夫と遊び心のある編集をしていただいた㈱ナガセ出版事業部の中島亜佐子氏には心より感謝いたします。

2024年3月
鎌田 真彰

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