大学受験|現代社会
共通テスト対策
東進 共通テスト実戦問題集 公共
◆出題傾向から「オリジナル予想問題」を掲載!
本書は,大学入学共通テスト(以下,共通テスト)と同じ形式・レベルのオリジナル問題を4回分収録した共通テスト「公共」分野の対策問題集である。
2025年度(令和7年度)「共通テスト」試作問題(2022年発表)の方向性を踏まえつつ,その出題傾向・形式を想定し,作問した。
◆一般常識だけでは通用しない!
「公民」科目は,2025年度の共通テストより「公共,倫理」「公共,政治・経済」,「地理歴史」との複合科目である「地理総合,歴史総合,公共」に再編され,試験が実施される。その中で,試作問題によれば,「公共,倫理」「公共,政治・経済」の「公共」の配点は25点,解答にかけられる時間は試験時間60分のうち15分程度である。「地理総合,歴史総合,公共」で「公共を選択した場合は,配点が50点,解答にかけられる時間は試験時間60分のうち30分程度である。
「公共」という科目に対しては,これまでの「現代社会」のように「一般常識で対応できるだろう」という印象を持っている人がいるかもしれない。しかし,幅広い観点から様々な分野について問う問題や,しっかりとした科目学習をもとに思考させる問題などが出題されると思われる。「公共」は一般常識だけではどうにもならない科目なのだ。「政治・経済」分野を中心に,着実な学習が求められる。特に,制度の内容や確立の背景・流れを問う問題は,今後も出題が予想される。
共通テストでは,限られた試験時間の中で,正確に解答する力を求められる。知識を丸暗記するのではなく,正確な理解を積み重ねていく学習でなければ,試験本番に対応することは難しい。「教科書の学習」「試験本番を想定した問題に取り組むこと」を柱に,学習に取り組んでほしい。
◆「知っているつもり」から「本番想定型」の学習へ
「公共」に限らず,公民科目について共通していえるのは,漫然と用語だけを「知っている」気になり,その背景や思想・理論・歴史を知らないために選択肢で「知っている」単語に惑わされて正解にたどり着けない,ということである。そのような状態のまま,直前期を迎えることがあってはならない。
「知っているつもり」になっている用語や事項の理解を深めるには,試験本番までに,1日1項目でもいいので必ず教科書を読むこと。制度・仕組みの定義はもちろん,その存在理由,問題点,その問題点に対する対策について,しっかりと教科書から読み取っていく姿勢を心がけてほしい。
共通テストでは,知識を前提に情報を読み取る力が試される統計資料問題や,思考力を問うタイプの設問が今後も出題されるだろう。そのような設問形式への対応を,試験本番までの限られた時間の中で行う必要がある。試験本番を想定した問題に取り組み,出題形式に慣れることは,合格点を得るために不可欠となる。
試験時間内に正答を導く情報処理能力も求められる。これに対処するためには,何が問われているのかを正しく読み取り,それに基づき解答のプロセスを論理的に組み立てる力,すなわち読解力が必要となる。読解力を高めれば,解答速度,情報処理能力も向上する。そのためには良質な問題を数多く解くことが必要である。
東進「共通テスト本番レベル模試」(「全国統一高校生テスト」を含む年6回実施)は,共通テストと同一レベル・同一形式の問題を繰り返し出題している。ぜひ受験してほしい。その後は,映像による解説授業も必ず受講し,「理解の整理」を行うこと。模試や本書で実戦演習を重ねていく実戦対応型の学習が,試験本番での高得点につながる。
受験生の皆さんの合格を,心から願っている。
2024年6月
執行康弘