大学受験|日本史

名人の授業


金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【三訂版】近現代史

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歴史は納得して覚えよう
 私はいつも言います。日本史は暗記科目ではありません。羅列してある用語を丸暗記するのは、たいがい限界があります。でも、納得して頭に入れた知識は忘れにくいものです。
 本書は、東進ハイスクールでの私の授業の持ち味を最大限に生かし再現したものです。物事の因果関係と用語の意味については、「なぜ」と「流れ」を用いてできるだけわかりやすくお話しするよう心がけています。本書を読んで、まず納得してください。そうすれば、一見退屈にみえる大学受験の日本史もドラマチックに展開していることがわかり、暗記という退屈な作業にとどまらない、とても面白い学問になるはずです。

時代が私たちに追いついてきた!
 これからの時代に求められている日本史学習は、「なぜ」と「流れ」です。文部科学省の学習指導要領には、日本史探究の学習目標が以下のように記されています。

 「我が国の歴史の展開に関わる諸事象について、地理的条件や世界の歴史と関連付けながら総合的に捉えて理解する」こと、「我が国の歴史の展開に関わる事象の意味や意義、伝統と文化の特色などを、時期や年代、推移、比較、相互の関連や現在とのつながりなどに着目」することを目標とする。

 そうです、時代がようやく私たちに追いついてきたのです。と言うと、非常に偉そうに聞こえるかもしれません。しかし日本史学習においては、日本の歴史という縦軸を「地理」「世界の歴史」「意味や意義」「時期や年代」という横軸で有機的に紡いでいくことが必須なのです。

「金谷の表解」で知識の定着を
 本書では、本文に入る前に「金谷の表解」という独特の板書が出てきます。これは、各章であつかう歴史の縦軸・横軸をすっきりとさせることで、歴史が理解しやすくなる表です。いくつかの勢力の相関図であると同時に、大学入試の重要頻出ポイントのまとめでもあります(注:著者が授業で表を板書するため、「表解板書」と呼ばれます)。
 この表は、「日本史の得意な人の頭の中の構造」の再現です。日本史が得意な人は、用語や事象が「流れ」でひもづけされ、整理された状態で頭に入っています。日本史を学習する際は、散らかった部屋のようにバラバラに知識を詰め込むのではなく、日本史が得意な人のように歴史の縦軸・横軸を整理しながら、「なぜ」と「流れ」を理解し、知識を頭に入れましょう。
 本書でしっかり「なぜ」と「流れ」をたたき込んで、効果的な日本史学習を進めてください。

金谷俊一郎

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