大学受験|日本史
名人の授業
金谷の歴史総合「なぜ」と「流れ」がわかる本
「なぜ、日本史の講師が歴史総合の本を世に問うたのか?」
巷(ちまた)に多くある歴史総合の参考書は、ほぼ例外なく世界史の講師の手によって書かれています。
ただ、文部科学省の学習指導要領には「歴史総合を学ぶ目標」についてこう記されています。
「近現代の歴史の変化に関わる諸事象について、世界とその中の日本を広く相互的な視野から捉え、現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を理解する」
つまり歴史総合は、自国の歴史や文化を形成する根幹となっている部分について学ぶものなのです。決して世界史だけを切り取って学ぶものではないのです。
さらに、学習指導要領には次のような目標も記されています。
「日本国民としての自覚、我が国の歴史に対する愛情、他国や他国の文化を尊重することの大切さについての自覚などを深める」
この目標を実現するためには、日本史の視点から世界の歴史を見つめ直すことこそが必要であり、それが歴史総合を理解するための最善にして最速の方法であると考えました。そのため、私は歴史総合の参考書を執筆することを決断したのです。また「1つぐらい日本史の講師が書いた歴史総合の本があってもいいのでは」という思いもありました。
近現代の歴史が現代的な問題とどう関わっているのか。ここには多くの「なぜ」が存在します。多くの「流れ」が存在します。
そこで、おかげさまで多くの合格者に圧倒的な支持を受けている『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』の手法で、歴史総合の執筆をさせていただきました。
歴史を貫く糸は3本。それは「なぜ」と「流れ」と「時系列」です。世界の歴史にはそこに「各国間の横断」が加わります。「Aという国でこれがおこった時期に、Bという国ではどのようなことがおこったのか」といったものです。これについては『「なぜ」と「流れ」がわかる本』でふんだんに取り入れられている「金谷の表解」を用いて、縦軸と横軸をすっきりとまとめてみました。地図も豊富に掲載し、地図に対して苦手意識を持っている受験生にも最大限に配慮しました。
私は、世界史から日本史に科目変更した受験生を数多く指導してきました。本書は、「世界史が苦手な人の気持ちがよくわかっている」日本史の講師だからこそ書けた本だと考えます。
本書を使って世界の歴史に対する苦手意識を少しでも払拭(ふっしょく)できれば、未来のグローバル社会のリーダーとして、日本の歴史と世界の歴史を有機的に学ぶことができれば、著者としてこれ以上の喜びはありません。
金谷俊一郎