大学入試センター試験解答速報2012
《生物I》 設問別分析



【第1問】細胞・組織、神経(細胞小器官) 
細胞発見の歴史や細胞小器官に関する基本的な知識問題と実験考察問題である。問1〜問4は基本的な知識問題である。問5・問6は「環境と動物の反応」の内容であり、第1問としては若干不自然であるが、問5は基本的な知識問題であり、容易に解ける。問6の実験考察問題は、興奮の伝達に関する正確な知識と実験1の内容を照らし合わせることができないと解けず、ここで差がついたであろう。

【第2問】生殖と発生(重複受精、動物の精子形成、両生類の発生)
重複受精や両生類の発生に関する基本的な知識問題と、動物の精子形成に関する実験考察問題である。問1・問2は生殖や重複受精に関する基本的な知識があれば容易に解ける。問3は、種皮、胚乳の核相や発生を理解していないと難しい。問4の実験考察問題は、表1のデータと選択肢を照らし合わせていけば解けるが、時間がかかるだろう。問5・問6は調節卵、局所生体染色法の知識があれば容易に解ける。

【第3問】遺伝(伴性遺伝、不完全優性、染色体地図)
伴性遺伝、不完全優性、染色体地図に関する基本的な知識問題と計算問題である。全体としては基本的なものであり、標準的であるが、分量が多いため、時間がかかったであろう。問1は性決定様式に関する平易な知識問題である。問2・問3は典型的な伴性遺伝の問題であり、練習していれば難なく解ける。問4・問5は不完全優性に関する計算問題であるが、独立の法則と不完全優性の知識があればこれも難なく解ける。問6・問7は染色体地図の作成方法と組換え価の算出方法を知っていれば容易であったろう。

【第4問】環境と動物の反応(浸透圧調節、血液凝固・免疫)    
浸透圧調節、血液凝固、免疫に関する基本的な知識問題と動物の浸透圧調節に関する実験考察問題である。問1は、浸透圧調節に関する平易な知識問題である。問2はグラフの読み取り問題であるが、教科書のグラフの延長上にあり、グラフの理解を復習しているかどうかが勝負になり、得点差がついたと思われる。問3はバソプレシンに関する基本的な知識問題であり、易しい。問4〜問6は血液凝固や免疫に関するやや細かい知識が求められるが、比較的容易であろう。

【第5問】環境と植物の反応(光合成曲線、植物ホルモン)
光合成曲線に関する基本的な知識を前提にした実験考察問題、オーキシンに関する知識問題と実験考察問題である。全体として時間がかかり難しい。問1は図1のグラフの見方が勝負で、しかも選択肢を1つずつチェックしなければならず、時間もかかり、難しい。問2は図1のグラフを理解し、陽葉と陰葉の光合成曲線の特徴を比較せねばならず、難しい。問3は実験考察問題に見えるが知識問題であり、見かけほど難しくはない。問4・問5はオーキシンに関する基本的な知識があれば容易に解ける。問6は実験結果と選択肢を照らし合わせればそれほど難しくはないが、分量が多いので時間がかかる。

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