大学入試センター試験解答速報2013
《生物I》 設問別分析



【第1問】細胞と組織(細胞・組織、植物ホルモンと細胞分化)  
細胞の種類や組織、器官に関する基本的な知識問題と実験考察問題である。問1〜問4は基本的な知識問題であるが、細かい知識が必要であり、得点差がついたと思われる。問5・問6は「環境と植物の反応」や「発生」の内容であり、第1問としてはやや不自然である。問5は基本的な知識問題であり、問6の実験考察問題は、まったく知識がなくても実験1の内容と選択肢を照らし合わせることができ、ここでは得点差はつかなかったであろう。

【第2問】生殖と発生(花粉形成、受精膜の形成) 
重複受精やウニの受精に関する基本的な知識問題と、動物の受精膜の形成に関する実験考察問題である。問1は減数分裂に関する基本的な知識があれば容易に解ける。問2は一見考察問題に見えるが事実上知識問題であり、減数分裂や花粉形成の知識があれば解ける。問3は、「細胞」や「遺伝」の分野も混ざった総合問題で、細かい知識が必要であり、時間がかかったと思われる。問5の実験考察問題は、図1と図2のデータと選択肢を照らし合わせていけば解けるが、慎重に取り組む必要があり、時間がかかるだろう。問6は基本的な知識問題で、実験1の「5秒以内」の解釈で悩む受験生も多かったと思われる。

【第3問】遺伝(ファージの実験、DNAの構造、メダカの遺伝) 
ファージの実験、DNAの構造、メダカの遺伝に関する基本的な知識問題、実験考察問題、および計算問題である。昨年度に比べて分量が減り、時間がそれほどかからなかったであろう。問1はファージの実験に関する考察問題であるが、事実上の知識問題であり、知識があれば容易である。問2は基本的な知識問題であるが、選択肢の文章がわかりにくく時間がかかるだろう。問3〜問5は遺伝に関する実験考察問題、計算問題であるが、基本的な二遺伝子雑種の遺伝の問題が解ければ、設定条件をもとに結果を導くことができるが、設定条件を整理するのに時間がかかるだろう。

【第4問】動物の内部環境の調節(腎臓の構造と排出、自律神経系、体温調節、血糖量調節)    
腎臓の構造と排出、自律神経系、体温調節、血糖量調節に関する基本的な知識問題である。問1・問2は、文章の内容とネフロンの構造が理解できれば容易に解答できる基本的な知識問題である。問3も基本的な知識問題であり、平易である。問4は自律神経に関する細かい知識問題であり、得点差がついたと思われる。問5は体温調節、問6は血糖量調節に関する基本的な知識問題であり、教科書の内容をしっかり理解していれば解けるであろう。

【第5問】環境と植物の反応(葉の構造、光合成曲線、植物ホルモン、光周性) 
葉の構造と光合成、植物ホルモンに関する基本的な知識問題とデータ考察問題、光周性に関する実験考察問題である。例年に比べ易しめである。問1は「細胞」の分野との融合問題であり、細かい知識が要求され、得点差がついたと思われる。問2は、限定要因に関する知識問題であるが、教科書にあるグラフを描けないと選択肢の解釈が難しい。問3は、典型的な光−光合成曲線の問題であり、易しい。問4は基本的な知識問題である。問5の実験考察問題は、短日植物に関する知識があれば容易に解けるが、図2の見方を誤らないように注意が必要で、得点差がついたと思われる。


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