来年度からセンター試験の地学は「地学基礎」と「地学」の2科目になります。どちらも新しい科目ですので過去問はありません。そのために学習を進めるにあたって不安があるかもしれません。しかし、センター試験の出題範囲は教科書に限られています。ですから、センター試験で高得点を得るためには、「教科書」→「問題演習」→「教科書」という流れの学習方法を徹底して、教科書を徹底理解することが大切です。
「地学基礎」または「地学」の学習は教科書の通読から始めましょう。すでに授業を受けている場合も、あらためて教科書を通読しましょう。はじめは、理解しようとか暗記しようとか考えずに、地学の内容を概観することが大事です。地学は地球物理、プレートテクトニクス、岩石・鉱物、地質・地史、気象、天文、自然環境と範囲が多岐にわたっています。これらについてどんなことを学ぶのか、どのような図表やグラフがあるのか、大体のイメージを最初に作っておくことがその後の学習に役立ちます。
◆これからの学習について
教科書を通読したら、今度はできるだけ丁寧に教科書を読んでいきます。このときに大事なことは地学の各分野それぞれの論理の展開を把握することです。どのような観測や観察、実験がされて、そこからどのような考察がされているのかを理解しましょう。そのために、図・表・グラフを正確に読む力をつけていきましょう。教科書の図やグラフはセンター試験に繰り返し出題されています。図やグラフを正確に読むためにはそれを自分でノートに書いてみることが大切です。書いてみると、見ているだけでは分からなかったポイントが見えてくるはずです。また、教科書を読むときは用語を暗記しようとするのでなく、その用語がどのように使われているのか、その論理の道筋を理解するようにしましょう。
地学基礎の教科書には「参考」や「発展」とされているページが多くあります。これはすべて地学基礎の範囲外ですが、学習を深めるには有用です。したがって、最初は「参考」「発展」は除いて本文だけを学習しましょう。その後、本文だけでは分からないことがあったときに目を通すとよいでしょう。
◆模試を活用しよう
「地学基礎」も「地学」もセンター試験の過去問がありません。これまでの「地学I」とは範囲も内容もかなり違います。ですから、早くからできるだけ多くの模試を受けることが学習を進めるうえで重要になります。2か月ごとに実施される東進のセンター試験本番レベル模試は年5回で「地学基礎」と「地学」の出題範囲をすべてカバーしていますから、学習の進み方と学習の不足点を判定できるとてもよい機会になります。2月からの模試の受験にぜひチャレンジしてみてください。
知識を問う総合問題が増加。地質図学は応用力が必要。計算問題はケプラーの法則のみ。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
出題分野、大問数、設問数に変化はなかった。基本的事項を問う知識問題が大半であるが、個々の分野を単に暗記するのではなく、分野にまたがって総合的に理解する必要がある。教科書を丹念に学習することが高得点につながる出題となっていた。
第1問は基本事項を問う出題。第2問では変成鉱物の相図の意味とそれを読み取る力が問われ、過去の類題より難化した。第3問は地質構造の空間的把握と地質図学についての応用力が試された。第4問は大気の安定・不安定を理解しているかどうかがポイントであった。第5問は標準的な問題であった。
全体として昨年に比べて難化したと考えられる。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2014
|
第1問 |
地球 |
6 |
6 |
20 |
第2問 |
岩石・鉱物・マグマ |
6 |
6 |
20 |
|
第3問 |
地質 |
6 |
6 |
20 |
|
第4問 |
大気と海洋 |
6 |
6 |
20 |
|
第5問 |
宇宙 |
6 |
6 |
20 |
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2013
|
第1問 |
地球 |
6 |
6 |
20 |
第2問 |
造山帯・火山・岩石 |
6 |
6 |
20 |
|
第3問 |
地質 |
6 |
6 |
20 |
|
第4問 |
大気と海洋 |
6 |
6 |
20 |
|
第5問 |
宇宙 |
6 |
6 |
20 |
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2012
|
第1問 |
地球 |
6 |
6 |
20 |
第2問 |
岩石・鉱物 |
6 |
6 |
20 |
|
第3問 |
地質 |
6 |
6 |
20 |
|
第4問 |
大気と海洋 |
6 |
6 |
20 |
|
第5問 |
宇宙 |
6 |
6 |
20 |
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2011 |
第1問 |
地球の活動 |
6 |
6 |
20 |
第2問 |
岩石・鉱物・火山 |
6 |
6 |
20 |
|
第3問 |
地質 |
6 |
7 |
20 |
|
第4問 |
大気と海洋 |
6 |
6 |
20 |
|
第5問 |
地球と天体 |
6 |
6 |
20 |
過去の平均点の推移
2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 |
---|---|---|---|---|
68.68点 | 69.48点 | 64.30点 | 66.76点 | 51.85点 |