設問別分析
《地理A》



【第1問】地理の基礎的事項
例年と同様に、図や写真などを用いて基礎的な知識を問う総合問題である。以前は設問の主題が自然環境や地図情報の利用に絞られることが多かったが、近年は幅広い範囲から出題されている。本年は設問数が8問に増加した。問1は混乱しそうになるが、地球儀を思い浮かべて落ち着いて考えたい。問2と問3は比較的よく問われる内容のデータである。問4の写真を用いた問題は易しい。問6のロシア語を公用語とする国は、ロシアの他には旧ソ連の数か国にすぎない。問8では、各図の手前の部分に着目すると判定しやすい。全体として標準的な大問である。

【第2問】日本の自然環境と防災
新課程を反映した内容の大問である。問1と問2は、いずれもごく基本的な日本の自然環境に関する問題である。主題図を利用した問4は、氾濫原のなりたちを理解していれば容易。問5の地形図の読図も難しくない。できるだけ落としたくない易しい大問である。

【第3問】世界の生活・文化
世界地誌に代わって、「生活・文化」というテーマで出題された。写真判定の問題が2問みられるが、問2のアは高床式になっている理由がポイント、問3は「嘆きの壁」と呼ばれる聖地である。問4から問7は東南アジアの地誌的な問題となっている。問7はやや難しく、サとシの判別が決め手となる。

【第4問】地球的課題と世界の結びつき
Aは地球的課題、Bは世界の結びつきに分かれた総合問題である。問1の森林破壊に関する統計の判定は、「先進国=用材」「途上国=薪炭材」という基本パターンがわかっていれば難しくない。問2の世界遺産に関する自然環境の問題は、知識が求められるやや難しい出題である。問3の文章正誤判定は慎重に語句を確認したい。問5はユニークな題材から出題された意欲的な出題であるが、スイスは金融立国であり、かつ世界的観光国という理解があれば容易である。問8のグラフの判読は難しい。横軸の距離が地図上でどのくらいのスケールを指すのかイメージするのはやや困難であろう。EU域内での移動が多いドイツを先に判断して、クのグラフで渡航者が特に多い2か国が想定できるかどうかがポイントである。

【第5問】地域調査(岩手県北上市)
例年通り地理B(第6問)との共通問題である。問1の地形図と鳥瞰図の判定はやさしい。「山地が左右どちら側に見えるか」を考える。問2の会話文空欄補充の組合せは全く新しいタイプの問題である。地形図の読図をしっかり行なうことはもちろん、空欄の前後だけでなく会話文全体を丁寧に読まないと判断できない。時間との関係で焦った受験生もいたのではないだろうか。問3の景観写真の判定問題ではAとBで多少迷う。問4の工業の変遷に関する統計判定では、チとツの判別がポイント。北上市に隣接する金ヶ崎町には1993年に開業したトヨタの自動車工場がある。問5の統計地図判定では、マとムの判別に注意したい。他市町村への通勤・通学は、隣接市町村が大半を占めるはず。問6の統計地図の利用に関する文章判定は基本的で、過去に類題も多い。例年の地域調査の大問と比較すると、やや難しい大問であった。



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