設問別分析
《国語》



【第1問】土井隆義『キャラ化する/される子どもたち』→昨年並み
昨年のテーマがインターネットやリテラシーであったのと同様、今年も現代的なテーマである「内キャラ・外キャラ」についての文章であった。文章量が昨年よりも一割以上減少しているので読むのに時間はとられなかったが、設問にやや癖のあるものが見られた。問1の漢字は実力が問われる問題が並んだ。問2〜問4までは、傍線部の説明問題で標準的。問5の、生徒が「誠実さ」を話題にして議論をしている中から正解を選ぶ問題は、96年度などにも出題された形式だが、近年にはなかったものでやや難。問6は文章の構成・展開を問う問題に戻ったが、「適当でないもの」を選ぶ点で、やや難。

【第2問】佐多稲子 「三等車」→昨年並み
全文での出題であったが、本文量は昨年並み。1950年代に発表された文章であるが、時代を感じさせるような設問はなく、総じて取り組みやすい問題であった。問1の語彙の問題は易しい。問2や問5で本文の広い部分から解釈する必要があるなど、やや解答に手間取るものもあるが、総じて例年通りの傾向であった。問2から問5は、「私」の心情や解釈が問われており、一人称の典型的な問題。問6は「適当でないもの」を選ぶ問題だが、誤りがはっきりしており、やや易。

【第3問】『今昔物語集』 →易
本文量は昨年より500字ほど多いが、読み易い内容である。設問も例年に比べて易しいものが多い。問1の(ア)は単純な単語の問題。(イ)(ウ)は前後の脈絡中での意訳が求められている。問2の格助詞「の」の用法の問題はセンター試験では珍しい出題。問3以降は全て内容合致を問う問題。問3・問4は易しく、問5・問6はやや細かな表現把握が求められている。長い本文を最後まで正確に読み切ることができれば、正解を得ることは難しくない。

【第4問】盧文弨『抱経堂文集』→やや易
問題文は192字で、昨年度の207字よりやや少ないが、平年並。設問数はここ数年と同じく7であったが、マーク数は昨年より1つ減り28であった。問1は例年通り、語の意味の問題。問2は「すなはち」の「即」と「乃」の差異の問題。問3・問5で解釈が2問、いずれも短いものであった。問4の返り点と書き下しの組み合わせ、問6・問7は内容説明問題等、ほぼ例年どおりであった。


各種資料請求はこちら

センター試験情報TOP

大学受験なら予備校の東進ドットコム

(C)Nagase Brothers Inc.

第一志望校の合格に抜群の現役合格実績を上げる大学受験の予備校、東進ドットコム