設問別分析
《倫理》




【第1問】青年期、現代社会、現代思想
昨年と同様、青年期と現代社会分野のほか、現代思想からの出題が目立った。とくに問7ではハンス・ヨナス、問9ではコミュニタリアニズムについての知識が求められ、大半の受験生は戸惑ったことであろう。また、消去法で解けるとは言え、井上哲次郎を特定させる設問(問2)もあった。資料文の読解問題(問4)やグラフの読解問題(問5)、それに本文の内容読解問題(問10)が出題されたのは例年同様で、読解力が重視されている。

【第2問】源流思想
古代中国思想(問1)、イスラーム(問2)、古代ギリシア・ローマ(問3、問5)、仏教(問4)、ヘブライズム(問6、問7)、総合問題(問8)と、出題分野は例年通りバランスがとれている。ただ、モーセの十戒について、それがエジプトに移り住む際に与えられたのか、それともエジプトを脱出する際に与えられたのかという、やや細かい知識事項が出題された(問6)。また、本文の趣旨についての読解問題が各大問の最後に置かれるのが通例だが、今回の第2問ではこれがア〜ウの記述の正誤組み合わせ問題という、新形式での出題であった。

【第3問】日本思想
これまでになく細かい知識の求められる設問が目立ち、受験生は苦しかっただろう。スサノヲの犯した罪の具体的内容(問1)、和辻哲郎がアマテラスについて規定した「祀られる神であると同時に祀る神」という概念(問2)、護国三部経の1つが金光明経であること(問3)についての知識をもっていた受験生はかなり少なかったと思われる。親鸞(問4)や本居宣長(問6)の思想、それに西田幾多郎の純粋経験(問8)についての設問はオーソドックスであった。室鳩巣(問5)についての出題は珍しいが、資料読解問題なので正解を選ぶのは難しくない。

【第4問】西洋近代思想
設問形式などについては例年通りであった。ガリレイ(問2)、ウェーバー(問3)、カント(問4)、経験論の知識論(問5)、ニーチェ(問6)についての設問はオーソドックスであり、きちんと学習している受験生には難しくなかったはずだ。ベルクソンの読解問題はやや難しいが、国語能力さえあれば解ける。ルネサンスについての問1はやや難しい。またハイデガーについての問8も、ア〜ウすべての記述を正誤判定するのはやや難しかっただろう。



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