設問別分析
《世界史B》



【第1問】世界史上の宮廷や宮廷文化
Aはカール大帝・中世後期イタリア諸都市の宮廷と文芸復興、Bはティムール帝国等の天幕による宮廷、Cは17世紀後半のフランス宮廷が近世ヨーロッパ諸国の宮廷に与えた影響についてのリード文。Aでは宮廷を支えた税や文化など幅広い分野から出題され、時代も全時代にわたっている。Bは地図問題を含め中央アジア史・インド史について基礎的な問題が出た。Cの年代整序6択問題はヨーロッパ文化史の細かい年代的知識が必要となり、直前の復習の成果が試されたと言えるだろう。


【第2問】ユネスコに登録された世界遺産
Aは11世紀から中世後期にかけての世界遺産ブルッヘ(ブリュージュ)の歴史、Bはロンドン塔の建造以来近代までの歴史、Cは孔子を祀る孔廟を取り上げたリード文であった。Aではオランダなど三国の艤装船舶数のグラフ問題が出題されたが、年号がわかれば判定は容易である。Bはイギリスの歴史に関する出題で、近世・近代という広い時代幅を扱う最近にはなかった年表補充問題が出ている。Cの年表補充問題は現代中国史に関する知識が問われた。全体で年表問題が2問出題されており、歴史の流れの正確な把握が求められる。


【第3問】世界史上の戦争とその影響
Aはローマ帝国のバルカン半島への進出の歴史、Bは19世紀中頃から現代にかけての東アジアの戦争、Cはジャーナリストのロベルト=ユンクが見た20世紀の戦争と科学の関係をテーマとしたリード文である。Aでは前近代の戦争・人口移動について広汎に基本的な問題が出題された。Bでは、国民政府の外交政策や戦後の国際社会の枠組みなどは一見細かいが、基礎知識があれば十分判定できる問題だった。Cの年代整序6択問題も同様に近現代史の基礎知識を思い出せれば容易である。昨年に続く軍事関係の出題で、近現代政治史の知識をどれほど学習できたかが鍵となった。


【第4問】世界史上の宗教と政治の関係
Aはイスラーム共同体をめぐる歴史、Bはアメリカ大陸を征服したスペイン人によるキリスト教の布教、Cは19世紀のタイ近代化と仏教の関係についてのリード文だった。Aでは近代以後のイスラームと政治の関係が出題され、現在の中東問題にも通じる問題意識が必要とされた。Bではキリスト教史やアメリカの文化史など手薄になりがちな分野が狙われている。Cではアジアの民族運動に関する出題が2問出題されている。全体的に、宗教史を中心とした文化史の知識が定着しているかが問われたと言える。



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