共通テスト 1日目解答

地理歴史

9:30-11:40

公民

9:30-11:40

国語

13:00-14:20

英語

15:10-18:10

共通テスト 2日目解答

理科①

9:30-10:30

数学①

11:20-12:30

数学②

13:50-14:50

理科②

15:40-17:50

地理歴史 地理B

新高3生
◆共通テスト地理の特徴

 共通テストは来年(2025年)から新課程テストに移行し、「地理総合、地理探究」および「地理総合、歴史総合、公共(うち2科目選択)」が実施されることになっています(今年の受験生までは、2025年に限った経過措置として「地理B」での受験も可能)。
 すでに大学入試センターから新課程テストの試作問題が公表されていますが、例えば「地理総合、地理探究」については、地理探究と似た現行の「地理B」の内容に、地理総合の特徴的単元を組み合わせた構成となっています。よって、上記の試作問題だけでなく、2021〜24年の「地理B」の問題や2020年までのセンター試験の問題も十分に参考になります。
 2021年から始まった共通テスト地理Bですが、これまで4年間の出題傾向を端的にまとめると、「知識の多少ではなく、分析し、考える力を重視している」ということになります。また、そのためにやや長い問題文を伴う設問や、複雑な組み合わせ式の設問が多くなっています。例えば、ある地点の気候グラフを題材とする場合、従来のような「A地点のグラフはどれか」といった形式ではなく、「A・B 2地点のグラフとして、それぞれX・Yが選ばれる理由を述べた文の正しい組合せはどれか」と問われるのです。各地点の気候区分を暗記していても解けません。気候の成り立ちを理解する必要があります。また、込み入った構成の問題内容を短時間で処理する手際の良さも欠かせません。


◆共通テスト地理に必要な学力

 共通テスト地理の作問方針は、概ね以下のとおりです。
① 地理に関わることがらを題材にして、
② ことがらの持つ意味や役割、ことがらどうしの対比・関連づけ、ことがらに潜む問題点などを考えながら見抜く力や、
③ 知識の活用や資料の分析によって、「地理的な見方や考え方」を順序よく働かせる力を試す
 実際の出題内容としては、おもに系統地理(自然環境・産業・社会などのテーマ別学習)の各分野がまんべんなく扱われています。また、世界地誌(大陸・国ごとの地域別学習)の割合は小さくなっていますが、世界の国や地域に関する設問が系統地理の大問中にバランス良く配置されています。いずれも知識(用語や地名)そのものを問うことは少なく、地図や写真、統計など各種資料の読み取りと関連付けた出題が多くなっています。また、ほとんどの設問にグラフ・統計表・地図・写真などの図版が与えられています。

 共通テストでは、「情報処理、思考、判断」の能力を試す傾向がはっきりしており、加えて「表現力」も重視されています。記述式設問はありませんが、その代わりにさまざまな「場面設定」※が工夫されており、「実際にその場面にいたら、どう読み取り、どう考察し、どう表現するか」を考えさせようとしています。したがって、地理的思考力や資料の読み取り技能を重視した問題の割合が多く、その結果、複数の統計や正誤の判定を組合せた形式の設問が中心となっているのです。用語や地名を詰め込むだけの学習では対応できません。
※ 場面設定として、以下の例が想定されています。
①  地理的な課題を探究し、その解決や将来を展望する場面
②  資料から事象を読み取り、地域の変容や構造を考察し、地域的特色などを説明する場面
③  新たな課題を設定し、情報の収集、整理・分析を行う場面


◆思考力が大事

 丸暗記に終始するような詰め込み学習では対応できないのです。「地理は暗記科目」と考えられがちですが、共通テストの地理では思考力がものをいうのです。
地理的な事象について
「なぜそうなるか」を十分に理解した上で、
「使える(=応用できる)基本的な知識」をこつこつ積み上げましょう。
知識がネットワーク化すれば、1つの理解が2つにも3つにも応用できるようになります。
もちろん、知識重視タイプの問題もゼロではありません。自然環境、産業、集落といった系統地理だけでなく、世界地誌の準備も早めにスタートすることで、情報量の面での遅れを招かないようにしたいものです。このような場面では、一問一答形式の問題集なども役に立つでしょう。


◆資料問題に強くなろう

 共通テストにおける地理の顕著な特徴は、
地図や図表、写真などの資料を使った出題の割合が高いことです。これらを読み取り、利用する技能が求められているのです。
自分が知らない地名が出てきた際には、必ず地図帳を開き、その位置を確認する学習を徹底するようにしましょう。教科書や資料集を用いて、主題図(テーマのある地図)や写真などを見慣れておくことも重要です。
また、統計についても、順位、数値の暗記ではなく、統計の背後にある地理的要因を読み取る意識で、最新の統計をこまめにチェックするようにしましょう。また、地歴連携の重視から、歴史的背景や経緯を問う出題がみられるようになっています。


◆独特な出題形式に慣れておこう

 独特な出題形式への慣れも欠かせません。組合せ式問題などがその典型です。問題の質や量と試験時間(60分)を見比べると、決して時間的な余裕はありません。過去問演習(センター試験も含む)や共通テスト試行問題などの演習はもちろんですが、東進の共通テスト本番レベル模試を定期的に受験して、
(1)頻出項目をマスターし、最新の傾向をつかむ
(2)出題形式に慣れ、時間配分をトレーニングする
(3)解説を利用して、「どうしてそうなるのか」の考え方を鍛える
といった点の強化に利用してください。
新高2生
◆「地理」という科目の特徴

 先に新高3生へのアドバイスを読んでみてください。なかなか大変なメニューが並んでいますね。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。共通テストは、来年(2025年)から新課程テストに移行し、「地理総合、地理探究」および「地理総合、歴史総合、公共(うち2科目選択)」が実施されます。すでに大学入試センターから試作問題が公表されていますが、例えば「地理総合、地理探究」については、地理探究と似た現行の「地理B」の内容に、地理総合の特徴的単元を組み合わせた構成となっています。よって、上記の試作問題だけでなく、2021〜24年の「地理B」の問題や2020年までのセンター試験の問題も十分に参考になります。過去問等で傾向をつかみ、模試で実力を測って弱点を補強する、受験生としてはそんな真っ当な対策を立てたいですね。しかし、過去問の演習にせよ、模試の受験にせよ、ひと通りの学習を済ませて、ある程度の実力をつけてからでなければ意味をなしません。「実力をつけてから」にこだわりすぎても時機を失しますが、準備ゼロでは「敵を知る」ことも「己を知る」ことも叶いません。高3になってから正しい対策を迷うことなく進めるためには、それなりの布石というものが必要です。

◆今のうちにやっておきたいこと

 (1)一通りのことが書かれた本を読んで、地理という科目の「雰囲気」をつかんでおきます。いきなり教科書では難しいでしょうから、『山岡の地理B教室』(東進ブックス)のような入門書を利用してください。中学校で使った「地理的分野」の教科書も良いでしょう。中1当時の皆さんはまだ小学生の延長のようなものでした。だから、いま読むと「ああそういうことか」と納得できることが多いはずです。納得したことは頭に残りやすいのです。特に気候環境、人口、都市など、他の項目との関連が深い分野、理屈が重視される分野はていねいに見ておいてください。
(2)地図帳に慣れておきます。地理における地図帳は、英語における辞書のような存在です。各地方の並び順、地図上のさまざまな約束、索引の使い方、などを体で覚えておきましょう。知らない地名が出てくるたびに地図帳を開く習慣をつけてください。どんどん書き込んだり、付箋をつけたりするのもGOODです。
(3)できれば、さまざまなメディアも利用しましょう。TVの特集、クイズ番組、ニュースなどや、新聞の国際面の記事、インターネットで得られる情報などです。すべてが直接の試験対策になるわけではありませんが、世界各地に関する見識が広がることで、地誌学習が楽に進められるはずです。例えば、代表的な動画投稿サイトで「フィヨルド」と検索してみてください。数多くの映像によって、北欧ノルウェーなどの氷河によって形成された雄大な景観を実感できるはずです。味気ない教科書の本文が立体的に浮かび上がってきます。スマホでタブレットでも、せっかくのICT(情報通信技術)環境を有効に活用してください。そして、最も大切なのは「地理は暗記科目ではなく、考える科目である」としっかり理解しておくことです。はじめはピンとこないでしょうが、上のような対策に続けて実際に問題演習を始めると、「考える科目」であることを実感できるはずです。皆さんに期待しています。