◆新課程の公共・倫理とは
新課程の公共・倫理は、2025年度(つまり来年)から新たに登場する試験科目であり、みなさんが第一回目の受験生ということになります。なかでも「公共」については、これまで一度も出題されたことがないものですので、不安に思っている人もいることでしょう。2021年に発表された「共通テスト試作問題」によれば、「公共」部分が25点分、「倫理」部分が75点分になるようです。そして「公共」の内容には、ほぼ倫理に当たる部分と政経に当たる部分がありますので、みなさんは、基本的にこれまでの旧課程「倫理」に近い科目を学習するというつもりでいるといいでしょう。ただし15点分ほどは「政経」に近い内容となりますので、高得点を狙う受験生は、これを無視するわけにはいかないでしょう。
◆倫理は特殊な科目
他の社会科科目と比べて、また政治・経済と比べても、倫理は特殊な科目です。というのも、人名や著作名といった断片的な知識だけで対処できる問題はきわめて少ないからです。そこで主に求められるのは、古今東西の思想家たちが長い時間をかけて取り組んできた思想的課題についての理解です。これは単語を暗記するような学習では、とうてい習得できない事柄です。それなりの時間をかけなければ身につくものではありません。まずは腰を据えて教科書をじっくりと読みましょう。それから用語集をこまめに引きながら、一つ一つの概念について深く理解してください。
◆問題演習が成否を分ける
ひと通りの学習が済んだら、あとは問題演習あるのみです。なかなか点が伸びないと訴える受験生に話を聞くと、ほとんどは圧倒的に問題演習が不足しています。倫理では、思想の理解においてありがちな誤解が誤文として出題されていることが多いです。したがって、そうした「誤解」をつぶすために、実際の過去問にあたって、誤文の誤文たるゆえんをひとつひとつ理解していく作業が大切になります。過去問の少ない共通テスト対策として、年間6回実施される「東進の共通テスト本番レベル模試」は、年間を通して共通テストと同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。