数学 青木純二先生の学習アドバイス
MATH
数学
青木純二先生
公式は覚えるだけでなく、自分で創って使うものという変わらぬ想いで、30年以上教壇に立ち続けてきた本格派講師。「なぜそうなるの?」を考えることを数学の基本とした講義は、本物志向の生徒から永く支持される。既知の修得はもちろん、一つの考え方から発想を広げ、自分の頭で考え続けるトレーニングを通じて、未知なる問題を解決できる力を養成する。
高3生 のキミへの学習アドバイス
夏までに完了しなければならないことは「参考書に載っている典型問題がスラスラ解けるようになっている」こと。これが一つの目安となります。その際重要なことは、単に解き方だけを暗記するのではなく、「なぜそう考えるのか?」を自身がきちんと納得していることが重要です。それができるようになってから、本格的に過去問や実践演習に取り組むことになります。
「いつまでに何をするか」ときちんと計画を立てることもちろん大切です。ただ、それよりも「昨日までできなかったことが今日はできるようになった」ということを実感できる日々を送ることの方がずっと重要です。毎日少しずつでも賢くなっていけばよいのです。仮に、予定どおりに時間が使えなかった日があっても、それが自分自身の力になることをした結果であれば良し、気にしすぎるのは良くありません。「勉強すること」自体が目的なのではなく、学んだことが「後日どれだけ再現できるか」が重要なのです。
夏休みなど長期間の休みによくあるのですが、「今日は○時間も勉強したぞ!!」と悦に浸るのではなく、「今日学んだことは3カ月先にちゃんと再現できるか?」ということを確認しながら頭に叩き込むことを忘れないように。
自分と向き合う機会を前向きに考える
模試は本番を想定して「場数を踏む」という意味では可能な限り受けた方が良いでしょう。技術的な部分での注意点は、「時間配分」や「マークミス・解答欄間違い」。これは模試などを通して慣れるしかありません。致命的なミスだけは起こさないように、普段から注意をするのも大切な練習です。ただし、判定結果だけを気にしすぎないようにしましょう。入試は本番で勝てばいいのです。模試は「復習の材料」です。終わった後にしっかり復習をしてレベルアップできるかどうかが最も重要です。
受験勉強は自分と向き合い、基本的には一人で行うものです。努力し続けている人にとって、今回のコロナ騒動がマイナスに働くことはないはず。この騒動を「自分と向き合え、学習時間が増えた」と思えるような前向きな気持ちを忘れずに。
高2・1生 のキミへの学習アドバイス
高2生にとって、「まだ一年半ある」という前提は危険です。「来年の夏まで(できれば春まで)には入試の範囲をひととおり終わらせる」という意識を持ってほしいです。数学の勉強は、ひととおり学習を終わらせてからが本番です。粗削りでも良いので、そのためのスケジュールを夏までにしっかり立てましょう。
その際、新しい概念が登場したときは、その直観的なイメージを大切にしながら教科書レベルの易しい問題で早くその概念に慣れてください。数学は積み重ねの学問です。ステップ2に進んだ後に「あれ? ステップ1ってどんなだったっけ?」となっては危険信号。「新しい概念に出会ったときこそ頑張る」ことを忘れないようにしましょう。
暗記から脱却して基礎学力を身につける
成功している人は、「やるときはやる。遊ぶときは遊ぶ」というメリハリがきちんとつけられる人が多いような気がします。もちろん「勉強をやる:遊ぶ=1:9」で遊びに比重を置きすぎてはいけません。あとはどれだけ自分に厳しくなれるかどうかですね。
模試は自分の大まかな位置を知るためには必要かもしれませんが、高2生・高1生のうちは基礎学力をしっかり身につけられるかどうかの方が重要です。学校の定期テストなどで良い点を取りたいがために、「やり方を暗記」することに走ってしまい、高3になってから「自分は何も分かっていない……」と現実を突きつけられ、愕然とするような失敗例を私は何度も見てきています。そうならないためには、「数学は公式を覚えて、解き方を覚えて、……」という幻想から早く脱却すること。「数学的に賢い」ということと「記憶力が優れている」ということは全く別のことなのです。今まで教わったさまざまなことをそういう視点で復習しましょう。
受験生同様、努力し続けている人にとって、コロナ騒動がマイナスに働くことはないはずです。前向きな気持ちを忘れずに学習に取り組んでください。