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数学 寺田英智先生の学習アドバイス

MATH

数学

寺田英智先生

寺田英智先生

緻密かつ多角的な解説は徹底した問題分析に基づくもの。難解な入試問題も趣味のパズルのように解きほぐす。数学的背景へ常に目を向けながら、更に生徒の学習段階さえも意識して「自ら考え、自ら解ける」実力の養成を目指す。実戦的で明快な講義が君の前に立ちはだかる「高き壁」を乗り越える力になる。

高3生 のキミへの学習アドバイス

9月に入る頃は、ひととおりの基本的な学習が済んでいる受験生が多いと思います。次のステップとしてより複合的、応用的な問題に取り組む時期ですが、すでに過去問演習を通じて、現在の学力と目指す大学が求めるレベルとの差を認識している受験生もいるのではないでしょうか。

過去問に取り組むには、まだ実力不足と尻込みする人がいるようです。まだ受験本番まで時間があり、今、解けないからといって不合格になるわけではありません。まずはしっかりと自分の実力に向き合うこと。そして必要なことを見定め、実行すること。受験生にはその強さを持ってほしいと思います。

また、9月の段階で基本的な学習が済んでいない人、あるいは、過去問演習により極めて基本的な事柄が抜け落ちていることがわかった人は、基礎固めを優先して学習しましょう。極端に苦手な単元を残して入試に向かうことはできません。どうしても、一つ段階を進めると後戻りすることに気後れするのはわかりますが、できないことはできないと認め、できるようになるまで学習し直すこと。わかったふり、できたふりで進まず、一つひとつの事柄を丁寧に考え、学ぶこと。この地道な姿勢が学力を底上げします。

自らを試す姿勢で数学を学ぶ

復習においては、解答解説を理解し、自分で一から解き直してみることです。読む、あるいは解説を聞くことで満足してはいけません。過去問演習に限りませんが、数学の学習では、自力で考えること、そして自力で解けるようになることが重要です。自分で説明できることを積み重ねていくことが数学の学習です。解説を聞くという作業は、そのための準備でしかありません。常に、自分で自分を試す姿勢を持ちましょう。

今年、受験生の皆さんは、センター試験から共通テストへの移行、さらには新型コロナウイルスに伴う外出自粛まで重なり、本当に大変なことと思います。ストレスを抱え、学習のペースがつかめていない人も多いでしょう。しかし、受験は待ってはくれません。勉強しても、しなくても入試の日は近づいてきます。今日、この一日を大事にして勉強を進めるほかありません。勉強はもちろんのこと、食事・睡眠が不足するとペースが崩れます。よく食べ、よく寝て、よく学びましょう。このような状況だからこそ、自分で自分のコンディションを整えることが大切ですよ。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

受験勉強を始めるきっかけに、誰かに言われてやる「以外の」勉強を一つでも始めてみましょう。数学の基本的な問題集でも、数学以外の科目、例えば単語の暗記などでもよいでしょう。登下校中の電車の中、寝る前の10分でも構いません。生活に溶け込み、無理のない範囲で止めずに続けられるものを見つけましょう。

こういったことを少しずつ積み重ねること、また、その能動的な姿勢こそが、受験勉強の基礎になります。

数学の学習としては、まず高等学校対応数学の講座などで受験に必要な内容の基礎を早期に学習しておきましょう。数学Ⅱ・B にせよ、数学Ⅲまでにせよ、ひととおり最後まで学習することです。入試問題は、いくつかの単元の内容を理解していないと解けない問題が多く、すべての単元を学んでいないと本格的な対策には進めません。

勉強は理想を実現させるための第一歩

「どうしても就きたい仕事がある」「将来実現したいことがある」と明確な目標がある人は、その気持ちを大切に、一日一日を大事に使いましょう。目標を立てただけではその実現には近づけません。今、皆さんが行っている勉強は、理想の実現に向けて確実に歩みを進める一歩になるのです。

まだ将来やりたい仕事や目標が見つからない人もいることでしょう。焦ることはありません。大学研究をしたり、オープンキャンパスに行ったりするのも目標を定める方法の一つではありますが、無理に目標設定するのは逆効果です。夢や目標は、自分の内から自然に出てくるものでなければ、そのための行動を起こすモチベーションが保てるはずがありません。普段の学びの中から見識を広げることで、将来の方向性が定まってくることもあります。「この科目は得意なので、学び続けられる大学に行きたい」「こんな経験をしたいので、この学部に進みたい」などの目標設定も、自然で立派なことです。焦らず、まず自分を高めることを第一にしましょう。