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数学 寺田英智先生の学習アドバイス

MATH

数学

寺田英智先生

寺田英智先生

緻密かつ多角的な解説は徹底した問題分析に基づくもの。難解な入試問題も趣味のパズルのように解きほぐす。数学的背景へ常に目を向けながら、更に生徒の学習段階さえも意識して「自ら考え、自ら解ける」実力の養成を目指す。実戦的で明快な講義が君の前に立ちはだかる「高き壁」を乗り越える力になる。

高3生 のキミへの学習アドバイス

いよいよ国公立二次、私大入試が本格化していきます。気持ちも高まりますね。

過去問演習を軸に学習を進める人が多いと思います。ただ、多くの人にとっては過去問演習だけを続ければよいというものではありません。持っている力を発揮するために試験形式に慣れていくのが過去問演習ですから、持っている力そのものを上げる学習も欠かせない、ということです。

過去問を通じて、すでに学習していたが穴があった箇所、あるいは、そもそも学習が不十分であった箇所が見えてくることがあります。そのようなとき、基本的な内容に立ち返って学び直す、問題を解き直す。これが最後にひと押し、実力を上げてくれます。残る時間が少なくなると、基本的なことに戻るのは勇気がいりますよね。しかし、練習でできないことは本番ではできません。過去問演習と弱点の個別撃破、これを行き来しつつ、実力を底上げしていきましょう。

10題眺めるより1題解く

数学に関しては、試験前日にできることは「頭と手を動かして問題を解く」「しっかり食事をして休む」の2点しかありません。

不安な分野があるなら、それをまとめたり、色ペンで下線を引いたりするのではなく、関連する問題を解いたり、証明をしてみたりすることです。数学は頭を動かし、手を動かすことでできるようになります。10題眺めるより1題解くことです。

また、頭が正常に働かないと、解ける問題も解けません。誰しも緊張は避けられないものですが、体調不良や寝不足でコンディションを悪くすることは極力避けましょう。極端な早寝などの普段と違うことをする必要はありませんが、前日ともなれば体調を整えることを優先しましょう。

勉強にせよ、体調にせよ、本当の意味での100%で本番を迎えられる人はほとんどいません。少しでもベストに近づく努力をし、100%でなくてもその中での最善が尽くせるように日々努めましょう。

残り時間が少なくなると焦ります。普段の勉強も手につかなくなりますよね。しかし、勉強すれば合格する可能性は上がりますし、手を止めて悩んでいても時間が少なくなる一方です。試験前日までは、とにかくやれることはやりましょう。そして、試験当日はできることをできると答案で見せること、これを徹底するのみです。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

数学は「正しさの構築」を行う科目

さて、いよいよ新年度、新しい学年になります。

早速ですが、数学は「正しさの構築」を行う科目です。いくらいい問題集を購入しても、急に数学ができるようになるわけではありません。まずは基本的な所から、自分一人で説明できること、解けること、わかることを地道に増やしていくことを常に大切にしましょう。

新高3生の皆さんは、まず数学Ⅰ・A/Ⅱ・Bの基本的な事項に漏れがないかを確認することから始めましょう。数学の入試問題は、この単元からと決まったものばかりではありません。いくつかの単元から横断的に出題されることが多く、明確に苦手な単元があると解ける問題がぐっと減ってしまいます。特別に苦手な単元があれば、まずはそこから学習していくとよいでしょう。どこから始めればよいかわからない人は、ほかの単元との繋がりが強く、融合問題の多い「2次関数」、「三角関数」、「指数・対数関数」など関数の基本的な内容が理解できているか確認をしておくことをおススメします。

地道な学習で心のスタミナをつける

受験生の1年間で、多くの模擬試験を受けることになります。漫然と受験するのでは、休日を一日潰しただけで得るものは多くありません。その模試を何のために受けているのかを意識すること。また、「次の模試までに〇〇の復習を終わらせよう」など、模試を日常学習のペースメーカーにすることを意識しましょう。模擬試験を生かすも殺すも自分自身! ということです。

新学年になると最初は頑張るものです。環境の変化、真新しさが刺激になり、前向きな気持ちが出てくるものなのでしょう。ところが夏が近づくにつれ、新鮮な気持ちが失われ、徐々にやる気が低下しがちです。

短期間に勢いよく勉強することがたまにはあってもよいですが、勉強には身につけるのに長い時間と多くの経験を必要とすることも多いのです。地味で地道な勉強を続けることは難しいものですが、少しずつ習慣にしていきましょう。心のスタミナをつけていくことです。

定期テストや模試のためではない、自分から主体的に勉強をまず一つ、始めてみましょう。時間のかからないもの、分量が少ないものからで構いません。一つ、また一つと日々のルーチンを増やしていきましょう。小さいことの積み重ねが自信になります。小さい成功の積み重ねは、より大きい事にも取り組む勇気と実力をつけてくれますよ。