• 東進タイムズ 2021年2月01号

現代文 永井玲衣先生の学習アドバイス

現代文
永井玲衣先生

思考力養成を専門にする哲学研究者。クリティカルシンキング、哲学的思考などの高い専門知識とその指導経験から、全ての教科で求められる「論理的思考力」を徹底的に鍛える全く新しい授業を展開。近寄りがたい「論理」を、わかりやすく楽しいワークで体験させる。難解な文章を正しい「論理」で正確に読み解く力を養成し、大学入試にとどまらない汎用性の高い問題解決力を提供する。

高3生

まずは皆さん、今年度の不安定な状況の中でよくここまで頑張ってきました。たくさん努力を重ねて、つらい日々を乗り越えてきたと思います。それだけで、とても素晴らしく、褒められて然るべきことだと思います。

現代文は暗記科目ではないので、一日二日で何とかなるものではありません。ですが、逆に言えば、これまで積み重ねてきた努力に突然裏切られることはないということです。論理の力は、皆さんの中にしっかり沈み込んで、いつでも本番で発揮できるようになっています。

では、当日に力を発揮するために、どんなことに気をつけていればいいのでしょうか。それは「汝自身を知れ」ということです。現代文を解き終わったあと、どのように復習していますか。ただ解き直すだけ? ポイントを読み直すだけ? もしかすると、復習すらしていない、という人もいるかもしれません。重要なのは、本番で二度と同じミスをしないようにすることです。思考力も同じ。適切な思考力を得るために人はどうするか。「正しさ」や「適切な思考方法」をひたすら詰め込むのではなく、「失敗から学ぶ」のです。つまり、思考の「落とし穴」や、自分の思考の陥りやすい「罠」を把握して、その部分を踏まないように気をつけることが大切です。

思考の傾向性を把握しよう

正しい道というものは、なかなか見えてこないものですが、自分のやりがちなミス、把握しづらいテーマなどは、よく分析すれば見えてきます。この時期、必要なのは復習です。復習法については左上の復習法を見てくださいね。現代文に限らず、どの科目にも応用できます。今は焦る気持ちで、新しい問題を解かなきゃとか、新しい単語を一つでも覚えなきゃと思うかもしれませんが、自分をしっかり分析して、思考の傾向性を把握しておくことも大切です。

自分のことは自分が一番わかっていると思いがちですが、そうでもありません。勉強のことだけでなく精神的な面などでも「自分はこういうときすぐだめになる」「自分は本番に弱い」など、自己評価をしている人もいるかもしれません。ただ、それは単なるバイアス、偏見にすぎないこともしばしばです。落ち着いたまなざしで自分を見つめ直すためにも、まずはそうした自分への評価を一度括弧に入れて、自分のことをしっかり分析してみてください。まだ発見していない自分に出会えるかもしれません。

高1生・高2生

受験シーズンの真っ只中です。皆さんは、まだまだ遠いことのように感じますか。それとも、焦りの中にいるでしょうか。この文章を読んでいるということは、あなたには漠然とでも、受験に向けて、または新学年に向けて、何をすべきなのか迷っている人なのかもしれません。

現代文の解き方やテクニックを学ぶことは大切ですが、この時期、まずは自分がどんな問題意識を持っているのかを明確にすることが大事です。勉強の動機は義務よりも好奇心の方が持続します。たった一つでも、あなたの中に何か問題や関心があれば、そこからすべてはつながっていき、やるべきことが見えてきます。ただし、この時期にそれがしっかりとある人の方が非常に少ないです。だからむしろ、今はそれを「探す」時期と思うこと。もしくは「自分は何に関心を持っているのだろう」ということを“考えようとする”ことが重要です。別に見つからなくても構いません。ただ、それを“考えようとする”ということが、皆さんを動かしてくれるはずです。

模試は心や緊張をほぐす存在

ただし、勉強は当然常にわくわくするものとは限りません。つらいし、つまらないことも多いです。そして、試験は自分の実力が試されるという意味でひどく緊張もします。慣れない雰囲気で、沈黙のなか、問題を解くのも落ち着かないですよね。

そういう時に模試は非常に役に立ちます。模試は、みなさんのその落ち着かない心や緊張を、少しでも解きほぐすものとして存在するものだとお伝えしておきます。

模試は皆さんをジャッジする恐ろしいテストではありません。本番に向けてのあくまで練習にすぎず、実力を試しつつも、本番に近いような雰囲気と問題が用意される場のです。学校のテストとはまた違ったものです。ぜひ積極的に利用してください。

今年度は大変な年でした。いつもと異なった状況で、とても学習がしづらく、気持ちのコントロールが難しい人もいると思います。身体と心の健康が一番重要です。どうか無理せず、ゆったり、そして確実に、楽しくやりましょう。応援しています。