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現代文 輿水淳一先生の学習アドバイス

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現代文

輿水淳一先生

輿水淳一先生

「読む」とは「文章を眺めること」ではなく「文章の意味をつかむこと」であるという考えから生み出された「脱・字面読み」メソッドを伝授。読めると分かる、分かると解けるという真っ当なプロセスで生徒の成績を引き上げる。時に深く、時に楽しく展開される講義は生徒の心を鷲掴みにする。

新高3・2生 のキミへの学習アドバイス

正確に理解する力を身につけていく

新傾向の出題が注目された大学入学共通テストの初年度でしたが、ふたを開けてみると大枠は従来のセンター試験の形式を踏襲したものでした。第1問はいわゆる「評論文」であり、試行調査で出題された「実用文」は出題されませんでした。また、第2問もセンター試験と同じ「小説」からの出題であり、試行調査で見られた「韻文(詩)」は出題されませんでした。一方で、第1問の問5、第2問の問6 においては、センター試験では見られなかった「異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題」が出題されました。ただ、これも形式の変化に過ぎず、複数の文章の一つひとつを理解することができれば、正答を導くことは難しくはありません。

したがって、来年度以降の共通テストに向けた演習の題材としては、センター試験の過去問が有効と考えられます。ただし、共通テストは始まったばかりであり、今後、出題傾向が変わっていくこともあるでしょう。出題形式に左右されずに安定した点数を取る力、すなわち「与えられた文章を正確に理解する力」の涵養が求められます。

「知識」と「読む力」を伸ばしていく

現代文の成績を伸ばすために必要なのは「知識」「読む力」「解く力」です。このうち、「解く力」(たとえば選択肢の選び方や記述解答の作り方など)は、比較的短期間で身につけることができる力です。また、「解く力」は、「知識」と「読む力」を前提とします。したがって皆さんがまず伸ばすべきは「知識」と「読む力」です。

「知識」を増やすために良い方法は「my単語帳」を作ることです。文章を読んだり漢字の勉強をしたりしている時に出会った「知らない言葉」をどんどんそこに書き込み、折に触れて見返して、知識の定着を図りましょう。

「読む力」を伸ばすのに良い方法は、「シャドウティーチング」(先生の説明を真似して、誰かに教えるつもりで読むこと)です。楽しんで、先生になりきってみてください。

最後に、読書の効用にも言及しておきます。言語学習において「量をこなすこと」は欠かせません。興味を持てる本、知的好奇心を満たしてくれる本を継続的に読むことは、あらゆる科目の土台となる読解力の涵養につながります。「スマホ時間」を「読書時間」に変えてみましょう。