• 東進タイムズ 2021年5月01号

数学 青木純二先生の学習アドバイス

数学
青木純二先生

公式は覚えるだけでなく、自分で創って使うものという変わらぬ想いで、20年以上教壇に立ち続けてきた本格派講師。「なぜそうなるの?」を考えることを数学の基本とした講義は、本物志向の生徒から永く支持される。既知の修得はもちろん、一つの考え方から発想を広げ、自分の頭で考え続けるトレーニングを通じて、未知なる問題を解決できる力を養成する。

高3生

数学における受験勉強のスタンダートは、次の流れです。
①概念の理解
②典型問題演習
③過去問等で実践演習

①の概念の理解ができていないのに、②典型問題演習ばかりに時間を費やしたり、②をやらずにいきなり③実践演習をやったりしていても、実力は向上しません。数学の各分野について、自分が今どの段階にいるのかをしっかり意識することが重要です。

本当なら、遅くとも夏までに①概念理解、②典型問題演習を終わらせ、「参考書に載っている典型問題がスラスラ解けるようになっている」状態で、秋以降は③実践演習に集中したいところですが、進度には個人差もあります。自分が「遅れている」と感じている人は、その分野について、①概念理解、②典型問題演習、③実践演習をどのタイミングで行うか、大まかなスケジュールを立てておきましょう。

わかるようになった実感を持てる学習を

模試は本番を想定して「場数を踏む」という意味で積極的に受けましょう。ただし、模試が返ってきたら、判定結果だけを気にしすぎないよう注意してください。大学受験は本番で勝てばいいのです。模試は「復習の材料」です。終わった後にしっかり復習をして模試を通じて自分自身がレベルアップできるかどうかが最も重要です。

大学受験までの時間は有限であるのに対し、学ぶべきことは無限にあります。特に数学では「勉強の終わり」というものは存在しません。ですから「いついつまでに何々を終わらせよう」と自分を追い込むことはあまり意味がありません。それよりも、今目の前にあることに集中し、「昨日までわからなかったことが、今日はわかるようになった!」という積み重ねの実感が持てるような日々を送れるかどうかがとても大切です。

「この問題をやれば合格間違いなし!」とか「この授業を受ければ絶対合格!」などと、何の根拠もない情報に惑わされてはいけません(そんなものあるはずがありません!)。目の前の課題を、コツコツと続ける以外、実力を向上させる方法はありません。

受験勉強は人によっては単調な日々かもしれませんが、精神的な健康を保ちながら頑張ってほしいと思います。

高1生・高2生

数学は積み重ねの学問です。概念が理解できていない状態で、やみくもに問題を解いてもあまり意味がありません。

行うべきことは高3生へのアドバイスと同様です。①概念の理解、②典型問題演習で基本を固めることが最優先です。「新しい概念に出会ったときこそ頑張る」ことを忘れないようにしましょう。数学の学習で多くの生徒が勘違いすることがあります。それは、「問題が解けさえすればよい」という錯覚です。単に「解き方を覚えただけだった」という場合はなおさら注意が必要です。「なぜそうなるのか」を常に考えながら数学に取り組むことができれば、1年後、2年後の学力は驚くほど上がっているはずです。

理系の人は、数学Ⅲの学習がいつ終わるのかを確認しておきましょう。学校の進度差や個人差はあると思いますが、理想は高3生になる前、高2の3月頃までにひととおり学習が終わっていることです。

成功している人は、「やるときはやる。遊ぶときは遊ぶ」というメリハリがきちんとつけられる人が多いような気がします。もちろん遊びに比重を置きすぎてはいけません。あとはどれだけ自分に厳しくなれるかどうかですね。

素晴らしい先生との出会いが君を変える

我々講師の立場から見ると、「数学っておもしろいな~」と思ってもらえるような授業ができれば、高2生・高1生向けの授業は大成功です。数学に対して前向きな気持ちが持てるようになれば、数学の勉強は苦にならないので、自然に実力が伸びていくはずです。

しかし、生徒に向かって「おもしろいと思え!」と一方的に言い続ける授業は、実につまらないわけです。高2生・高1生の皆さんにとって重要なのは、「おもしろい!」「早く次の授業を受けたい!」と思えるような授業、先生を早く見つけることです。

東進では、さまざまなレベルの良い授業がたくさん揃っています。いろいろな先生の授業を体験してみて、早く皆さんにとって素晴らしい先生との出会いが訪れることを願っています。