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古文 栗原隆先生の学習アドバイス

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古文

栗原隆先生

栗原隆先生

20年を超える指導経験から、東大・難関大志望者に絶大な信頼を得る真の実力講師。「構造分析による本文解釈」と「出題者の心理・行動分析による設問解法」を軸に、独自の図表や心和ませる古典エピソードを交え展開される講義は必聴。あらゆる入試問題にも素早く、確実に正解へ導く本質の指導を追究する。

高3生 のキミへの学習アドバイス

一週間ほどあるGWは実に魅力的な時間で、私もなにか書き物をするときは大体一週間を目安にしています(例えば参考書・問題集等の一単元)。受験に必要な教科を挙げて、ここまでに何をしておきたいか、紙に書き出してください。古文ではこの時期までに「統語論(文法)」を理解し、「語彙目録(重要単語)」にひととおり目を通していただければ完璧です。

「統語論(文法)」は、実は独学では少し心許ないというのが私の本音です。よって、東進の『古典文法強化ゼミ』等の短い講座を一つ、この期間に受講するのが最も合理的かと考えます。

「語彙目録(重要単語)」については、まず何が「重要単語」なのかを知ることです。古文では三百数十語程度です。一日10語検証していけば、一カ月で終わります。できれば、楽しみながら覚えてほしいものです。『古文単語教室』(東進ブックス)等を参考にしていただくとよいかと思います。

勉強嫌いにならないために段階を区切った学習を

高校時代は人生で最も学びの多い時期です。大人になってしまった今、それぞれの教科・科目を概観して見ると、それぞれの内容はとても興味深く、魅力的です。なのに、それらを一度に詰め込みすぎるから、本当は楽しいはずの勉強が嫌いになってしまうのです。だから、一度にすべてをやろうとしないで、基礎・標準・発展と段階を区切って、必要とする科目を一つひとつ重点的に勉強した方が効率的です。

部活に関して言えば、多くの場合これは「趣味」ですね。私もある格闘技をやっていました。これは現在でも「私のお友だち」です。しかし、それ以上でもそれ以下でもありません。自分が勉強できていないことをお友だちのせいにしますか?

私は、朝目覚めて顔を洗う時、毎日愕然とします。つい昨日まで高校生だったのに、いつの間にか「おっさん」になっているのですから……。それほど、人生はあっという間に通り過ぎていってしまいます。

なかなか、人間は一日一日が過ぎていくのは実感できないものですが、一瞬一瞬の経過にはとても敏感です。知りたいことは山ほどありますよね。今この時、確かめてみたいことがあるでしょう? それが「探究心」です。「研究」の源です。その気持ちを忘れないでください。実は、勉強(もうちょっとで「研究」)は楽しいものです。時には意地悪ですが、どうか一生の恋人にしてください!

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

古文を例に挙げるならば、高3生と同様に、「統語論(文法)」を理解し、「語彙目録(重要単語)」にひととおり目を通していただければ完璧です。

「統語論(文法)」は、参考書や文法書のみで独学では、心許ない。東進の『古典文法強化ゼミ』などを活用し、しっかり理解しましょう。

「語彙目録(重要単語)」も一日10語検証で三百語、一カ月で終わらせることができます。楽しみながら覚えていきましょう。

現在のところ日本語は、アルタイ語族に近くはあるのでしょうが、系統不明、祖語不明の「孤立言語」です。ですが、現在残されている確実な史的資料をさらに精査・研究していけば、新たなことがわかるかもしれません。現在は、「ウラル・アルタイ語族」という概念も、いわんや「ユーラシア・トゥーラン語圏」も証明されていませんが、もしも、各言語の通時的(歴史的)研究がもう少し進んだら、これらの概念を再考する時が訪れるかもしれません。皆さんがどのような道に進まれても、歴史的な考察も忘れないでください。必ずや、新たな発見があるはずです。

どんな言語も歴史と体系を持つ文化

人間は生まれる時代も場所も選べません。その幼少期に身につけた言葉が母語なのです。どんな地域のどんな言語だって、その言語でしか言い表せない思想・価値観・美意識はあると、私は信じます。どんな地域のどんな言語だって、歴史と体系を持つ文化なのです。

だから、皆さんが、未来にどんな地域のどんな母語を持つ人とお付き合いするとしても、相手の母語に敬意を持ってほしい。そのためにも、自分の母語に敬意と理解を持ってほしいと、私は強く願います。

確かに「古文」は、社会言語としては失われた言葉です。でも、さまざまな時代のさまざまな地域で息づいてきた過去の「日本語」なのです。「古文」を学ぶことはけっして無駄ではありません。

そして、いつか皆さんが出会うはずの、世界中の違う母語を持つ人たちにも、この過去の「日本語」のことを教えてあげてほしいと思います。さあ、「古文」を楽しんでください。それこそが私の願いです。