• 東進タイムズ 2021年7月01号

英語 土岐田健太先生の学習アドバイス

英語
土岐田健太先生

学生時代より黙々と日々研鑽してきた努力人は、「実用英語」と英語文化の「教養」の橋渡しをする。英語圏の文化背景から英語を捉え直す講義スタイルは、これまでの英語観を大きく変え、将来まで通用する圧倒的な英語力を習得できる。高校生だけでなく、社会人対象の資格講座や教養講座も担当。「知的な面白さ」を追求し続ける講義で、受講者の知的好奇心を満たし、合格のその先の将来と向き合う自信をも与えてくれる。

高3生

夏を有意義に過ごすためには「自分に何が必要か見極める」ことです。

夏の英語の勉強で一番大切なのは「インプットの完成」です。秋以降は「アウトプットの完成」が待っています。夏は①英単語・熟語②英文法・語法③精読力④音声の基本ルールの4分野に専念できるラストチャンス。夏休みをどのように使うかを7月の段階で精査するのです。そこから逆算して、一日にやるべきことを決めてしまえばあとは実行あるのみ。同じペースを守るほうが、実現の可能性は高まります。最後の五日間を総復習期間として取っておくなど軌道修正の余裕を持たせておくのもいいでしょう。

夏は「精読」と「精聴」に徹する

「精読」では「句と節」がカギを握ります。文構造を「句と節」のフレームワークで読み解く練習が必要です。特に準動詞(不定詞・動名詞・分詞・分詞構文)と関係詞(関係代名詞・関係副詞)の理解が深いと、長い一文も正確に処理できるようになります。それから、仮定法や比較は読解でもよく設問として問われるので、夏の間に点に結びつくような学習をしておきたいですね。また、that の識別が弱点になっている高校生が多くいます。これを克服すると、英文を正確に掴む力で差がつくでしょう。

リスニングは音声の繋がり方(リエゾン)や音の脱落(リダクション)など基本的な「発音のルール」をインプットしておきましょう。そのうえで、「毎日のリスニングの習慣」をつけておくと、基礎体力がつき、共通テストや二次試験のリスニングへの土台ができていきます。最初はリピートして、慣れてきたらシャドーイングすることで、発音力とリスニング力が磨けます。同じ素材を何度も利用することこそが、リスニング力アップの鍵です。

模試の位置づけは「自己分析」と「軌道修正」です。8/22(日)「共通テスト本番レベル模試」では、単語・熟語や英文法・語法の範囲をひととおり終わらせて臨みましょう。大切なのは、模試前の「メンテナンス」です。「分野別」の課題を浮き彫りにして、これまでやってきた問題集も抜け漏れチェックを行いましょう。特に、終わった後はできれば「部分的な修復」(その問題限定の復習)にとどまらず、その分野の「総合的な修復」(仮定法なら、仮定法の総復習)を行ってくださいね。

勉強では「好奇心」と「計画の実行力」の二つが組み合わさると、急激に伸びるんです。大学入試の教養は将来皆さんを支える「柱」となります。

高1生・高2生

夏にすべきこと、ズバリ「単語と文法」です。「これまでと変わらないアドバイスじゃん!」と思った方は、ぜひ「タイミング」と「やり方」に注目してみてください。共通テストでは、リスニングもリーディング並みのウェイトを占めます。つまり、「ギリギリ滑り込みセーフ」でやった勉強法は通用しなくなるのです。これまで以上に余裕を持った受験勉強が必要です。

タイミングとやり方に注目した英語学習

今のうちに終わらせるべき課題をやってしまいましょう。文法では「文型」と「句と節」を一番の相棒にしておきたいです。その際に「ルールの理解(インプット)」→「演習(アウトプット)」の流れを大切にしてください。さらに、これまで以上に例文の「音声学習」を取り入れてください。一文レベルでいいので、テキストの例文の音読やリピーティングをするのです。その際にIt is important to have enough sleep.「あることが重要だ( 何が?)」「充分な睡眠をとることが」と「カタマリ」を意識しながら音読するようにしてください。これを「ツッコミ音読法」と名づけましょう。この音読法は、同時通訳者や翻訳者が前から英文を処理するトレーニングに活用している方法です。「仮主語」や「真主語」の考え方を理解したうえで、「前からカタマリで掴む練習」を重ねる。これはリスニングで「前から英文を処理する力」をつけてくれます。

次に「英単語」。こちらも「イメージ学習」と「音声学習」が大事です。リスニングで問われることを見越して、単語は普段から「イメージ化」「音声」を使って勉強しましょう。具体的には、「0.1秒で頭の中でビジュアル化」できる力がリスニングでは重要になります。会話でI enjoyed your company.「一緒に過ごせて楽しかったです」という英語はよく使います。company の「一緒にいること」という意味は、早慶レベルでも問われる知識です。様子が絵で一瞬で浮かぶようなトレーニングをしておきましょう。電子辞書や付属CDの有効活用も忘れずに。

以下、WEB限定公開!

音声の活用について振り返ると、僕自身、実は「発音記号」と「電子辞書の発音ボタン」の利用をしてから、単語が覚えやすくなりました。電車に乗っているとき、間違って発音ボタンを押してしまったのですが、その時のことは今でも覚えています。しかも、周囲にいたのが「英語圏の方」だったようで、その後しばらく例文をたくさん紹介してくれました・・・。「音声化」と「感情」は単語の記憶力をググっと高めてくれるのです。

今後は、「リスニング」を見据えて、文法や単語の勉強から「音声学習」を組み込むことがまずます重要になるでしょう。今すぐ「単語と文法」の音声学習を始めてください。

夏は部活の中心メンバーとして活躍する人もいることでしょう。ほぼビジネス・パーソンと同じくらいの日々を送る皆さんは「スキマ時間」を使うことも必要です。そこでカギを握るのは「デジタルな勉強法」と「アナログな勉強法」のハイブリッドなやり方をすることです。つい最近まで、僕は「スマホを見るな」と指導していたのですが、最近考えを改めました。勉強中はSNSを見ないと決めた上で「スマホを有効活用する」のもアリです。アプリは東進の『高速マスター基礎力養成講座』にも存在していますし、他にも良質なアプリが日々開発されています。暗記が苦手な人もゲーム感覚なら続く人がいるので、おススメです。最近はいろんな分野を勉強するのに僕もアプリを使っています。

「アナログな勉強法」と組み合わせると最強ですね。単語のチェックをするときに、チマチマ付箋を毎ページに貼っている人もいると思うのですが、それは暗記ではなく「作業」です。やるならば、シャーペンでサッと覚えているものと覚えていないものを仕分けすること。その上で、「英日」の順番で10回頭の中で「フレーズ単位」で表現を唱えてみてください。その上で、寝る前に「大きめの付箋」に定着率の低いものを表裏で書いておきましょう。目覚めてすぐに確認すれば、記憶の定着率もアップします。

今は入試や世の中の変化の過渡期にあります。そんな時は「前倒し」が肝心です。特に英語は高2までに形にしておくと「受験の自己肯定感」が上がります。「ゆっくり急げ(Festina lente)」の精神で勉強してみてください。慌てず、腰を据えてやっていきましょう。