• 東進タイムズ 2021年7月01号

現代文 西原剛先生の学習アドバイス

現代文
西原剛先生

「文章の現実から逃げない」ことを信条に、明快な構造板書と豊富な具体例を用いて難解な入試問題を「誰でも分かる」レベルに解きほぐす。卒業論文では『文章論的文章読解指導法の研究』を執筆。文章の「客観性」だけでなく、時に「多義性」「曖昧さ」まで見遣りながら、文章読解に正面から向き合う正統派の現代文講義。

高3生

夏休みは、「文の意味をよく考え、解答根拠を明確にして解く」作業を繰り返してください。例年、受験生から「速く読めるようになりたい」という相談を受けます。これは「速く読めるように(そしてもちろん高得点を取れるように)なりたい」という願望だと思いますので、ある意味「究極の目標」ですよね。その目標に向けてすべての授業を行っているわけですから、「これだけでOK!」という魔法のような方法はありません。「正しく読む」ことの反復によって、結果として速くなるということです。良い結果を出したければ、「誰もやっていない方法を探す」のではなく、「正しいことを人一倍たくさんやる」ことが不可欠です。

勉強のサイクルを乱さないために自分が集中できる場所や時間帯を見つけられると良いでしょう。例えば、朝の時間帯は、睡眠によって頭が整理されていて、かつ、人間の理性が働きやすい時間でもあるので、勉強に最適な時間です。学習スイッチが入る「きっかけ」を自分なりに準備しておけると良いと思います。また、勉強の合間の休憩の取り方も大切です。例えばスマホでの動画視聴は、勉強と同様に「頭」を使うのでリフレッシュになりにくく、また、映像は脳への刺激が強いため、学習した内容よりも強く頭に残ってしまうのでおススメしません。単純なことですが、頭を休めるためには身体を動かすことが一番です。外に出て(少し速めに)15分程度散歩してみると、驚くほど頭がすっきりすると思います。健康維持にもつながりますし、一石二鳥ですね。

積極的な模試受験で現状を客観的に把握する

「まだ基礎が身についていないから、模試を受けたくない」という人がたまにいますが、基礎が身についていないことを実感するためにも模試を受けましょう。基礎が身についていないこと(あるいは意外と身についていること)を数字で客観的に実感するために、ぜひ模試を活用してください。コロナ禍の状況によると思いますが、模試はできるだけ試験会場で受験しましょう。実際の試験に近い緊張感を味わえますし、想定外の出来事を経験できるかもしれません。そういった経験をしておけば入試本番で同様のことが起きても焦らずに対処できます。

昨年の今頃は、「来年の夏にはコロナ禍が収束して……」などと考えていましたが、その影響は今でも続いていますね。これからも落ち着かない日々が続くかもしれませんが、受験生として「学ぶべき内容」が変わるわけではありません。世の中が騒がしく動いているときにどれだけ「地味に」「淡々と」勉強できるか。それが半年後に大きな差となって現れます。逆境でこそ人の器が問われます。一緒に頑張りましょう! 

高1生・高2生

現代文は、高校入試でも大学入試でも基本的にやることは変わりません。東進の「過去問データベース」では、大学入試の過去問を閲覧できます。漠然とでも構いませんので「行きたい大学」「知っている大学」の過去問を解いてみてください。大学受験を具体的にイメージできるようになります。

また、高校の夏休みの宿題を利用して、学びを深めるのも良いでしょう。例えば、宿題で夏目漱石『こころ』の「読書感想文」が課されたとします。本を読み終えたあとに、図書館や本屋に行って、夏目漱石関連の本を探し、『こころ』に関する部分だけで良いので読んでみましょう。思いもよらぬ「読み方」に触れることができるかもしれません。大学入学共通テストでは、一つの文章を、外部から批評的に捉える力が求められています。一つのテクストに対し、さまざまな読みが可能であることを実感しておけると良いと思います。

「環境」作りで学習時間を上手に作ろう

多くの人は「受験はまだ先のこと」と感じているのではないでしょうか。人間は元々意志の弱い生き物ですから、自分を厳しく律して勉強時間を確保するのは難しいものです。そこで、「環境」作りを工夫しましょう。最大の敵は「スマートフォン」です。スマホは「視野に入っているだけ」で勉強効率を低下させる恐ろしい力を備えています。勉強するときにはスマホの電源を切り、引き出しの奥などに閉じ込めて、「使用にひと手間かかる」状態にしておきましょう。それだけで、「ついつい手が伸びてしまう」のを防げます。

夏休みは、自分の将来について考えたり、人生の幅を広げたりするための時間を作れると良いですね。「夢中になれること」を見つけて、人生を豊かにしていきましょう!