• 東進タイムズ 2021年8月01号

日本史 井之上勇先生の学習アドバイス

日本史
井之上勇先生

語りかける口調はとても穏やかだが、緊張感のある厳しい指導で定評がある。しかし、その厳しさは生徒の成長を思ってこそであり、講義は人気を博している。つねに生徒と同じ目線に立ち、入試問題に対する的確な思考法を教えてくれる。気がついたときには、ダイナミックな歴史の流れが一本の糸につむがれ、連綿と輝いているはずである。

新高3生

過去問演習では、「○○年度に出題されたからもう出題されないだろう」とか、「○○の分野は頻度が高いから、今後も出題されるだろう」といった思い込みは排除しましょう。合格を確実なものにするためには、どの時代・分野が出題されてもボーダーを超える実力を養う必要があります。過去問を解く際に特に注目すべきは、問題のレベルや形式です。例えば、次の5つのポイントを確認しましょう。

①論述問題の有無

②時間配分

③記述かマークか

④史料問題の有無

⑤視覚資料を用いた問題の有無

問題のレベルを分析し、「教科書本文のレベルで対応できるか」「脚注やグラフ・表のキャプションまで見ておく必要があるか」を確認しましょう。実際に問題を解いてみて、これは知っておくべき情報なのかどうかを区別しておく必要があります。ですが、受験生にとっては判断しにくいですよね。だからこそ、過去問演習が必要なのです。

9月以降を見据え夏の学習計画を遂行する

過去問に取り組めば、テーマ史としての出題が多いことに気づくでしょう。しかし、未習部分があると、テーマ史学習に取り組めない場合があります。例えば、日中関係史を学ぼうとした場合、戦後史が未習であれば戦前と戦後の比較、連続性と断続性などを学ぶことが困難になります。テーマ史の学習と並行しながら、確実に未習部分を撲滅していく努力をしましょう。

夏の学習が効果的かつ計画どおりにできたかどうかで9月以降のスケジュールも変わってきます。運動不足の人が、いきなり激しい運動をしても習慣として定着するわけがありません。小さな目標を達成していく過程で、自分に対して自信が持てるようにしましょう。

新高1生・高2生

「教科書はおもしろくない」「わかりにくい」といった声を聞くことがあります。しかし、その感想は誤りです。教科書ほど簡潔に、そして、今日までの研究成果を的確に反映した教材はありません。まずは教科書に対する認識を変えていきましょう。

受験の観点からいえば、入試問題作成者は確実に「教科書に何が書いてあるか」を確認して出題します。また、日本史学習は合格のためだけの一過性のものではありません。自らの人生を豊かなものにするために学んでいるといっていいでしょう。そうした観点から、最新の研究を反映した「教科書」を読みこなせることは、大学でさまざまな分野の研究に取り組むみなさんにとって、最低限の素養を身につけるための作業だと考えてください。

努力は自らの可能性を無限大にする

大学受験を、自らに負荷を与え、努力する自分を養う機会にしてほしいです。大事なのは、第一志望に向かって努力するプロセスです。「ここまで自分は頑張ることができた」という自信につながります。本番までの努力は自らの可能性を無限大にする……、このことを忘れずに地道な努力を続けてください。高3の秋や冬になると、誰もが「あのときからこの集中力で臨むことができていたなら」と感じるようです。早い段階で現実に向き合うことはとても重要です。