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数学 吉原修一郎先生の学習アドバイス

MATH

数学

吉原修一郎先生

吉原修一郎先生

たくさんの生徒を第一志望合格へと導いてきた実績と、温かい人柄で圧倒的な支持を得ている数学講師。基礎から最難関まで、そして学年を問わず、目の前にいる生徒を思い、最高の授業を提供する。「数学って楽しい!」と絶賛される授業は常に生徒主体の対話形式で行われ、数学の思考法が自然と身に付くような工夫が随所に散りばめられている。

受験生 のキミへの学習アドバイス

11月に入り、いよいよ入試が近づいてきましたが、焦る気持ちに蓋をして、今後の学習計画を見直しましょう。

まず、数学においては「たくさんのことをやろうとしないこと」が大切です。教科書レベルが定着していますか? 定石とされるアイデアを学び終えていますか? これらができていない状態でやみくもに問題に取り掛かっても、貴重な時間の浪費になってしまいます。

次に、試験は時間との勝負でもあります。次の一連の流れを意識しましょう。

本番を見据えて制限時間を設けたテスト形式の演習→時間内に終わらなかった問題をじっくり解き直す→易しい問題には別解を考える→解答解説との比較検討をする

この方法は共通テスト対策にも当てはまります。また、「苦手科目から目をそらさないこと」も大切です。苦手科目は敬遠しがちになり、いつまで苦手なままの状態が続くことが多いですが、逆に少しの時間を費やすだけで見通しがよくなることもあります。

苦手な原因は人それぞれですが、合否は合計得点で決まります。学習時間の使い方、そのバランスを上手に取っていきましょう。

単元による学力のバラつきをなくそう

過去問を解いて、合格者平均に近い得点が取れれば言うことはないのですが、自分の得点が合格者平均の7割に届かないような状態であれば、過年度の過去問を解き続けることはおススメしません。そのような場合はいったん過去問から離れて、より易しい基本問題、例えば教科書の章末問題や、過去に使用してきた教材に戻り、基礎学力の向上を目指してください。

特に入試問題は一題にいくつかの単元が融合されることが多く、単元による学力のバラつきがあると部分点すら手に入らない状態になることもあります。

秋を迎えて大学入試への意識も高まってくるころですね。そんななか思うように成績が出なかったりすると不安になることも多いと思います。そこで焦っていろいろなものに手を出すことは本末転倒で、結局すべてが中途半端で身につかずに終わります。今まで学習してきたテキストを振り返り、穴を埋めていく。そして志望する大学の過去問を研究する。この当たり前のことをやるだけです。目の前にあるやるべきことを毎日コツコツこなすことが大切です。

体調管理にも注意してください。予防接種や歯科検診にも今のうちに行っておくことをおススメします。夜更かしをせず十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ること。勉強はその質が大切です。本当に集中して取り組むと、実はそんなにたくさんの時間は必要ないし、そもそも長時間の勉強はできません。キミが来春笑顔で大学生になっていることを願っています。

新高3・2生 のキミへの学習アドバイス

高2生のキミは来年に向けて、日々「頭を使った学習」をすること。数を多くこなすよりも一題一題、徹底的に考え、アイデアを推敲し、文章にして(答案として)書き出すという訓練をしよう。特に数学では暗記に傾倒すると失敗します(なによりつまらないですよね)。

高1生のキミは自分の興味のあることを精いっぱい頑張ってください。それは勉強に限ったことではなく部活動などでも構いません。そして食わず嫌いせずにいろんなことにチャレンジしてみること。何かに没頭したという経験がのちの受験勉強に生きてきます。

高3生になるまでに初等幾何の基本(数学A「図形の性質」)を押さえておくことをおススメします。論理的に考える力と図形を観察する力が同時に養われていくことで、数学全般の下地ができ上がります。ほかには「整数」も論証力がつく魅力的な単元です。

創意工夫を凝らして毎日楽しく過ごそう

高校生は勉強だけではありません。学校行事や部活動をはじめ、友人と過ごす時間は何物にも代えがたい大切な時間で、キミの一生涯の宝物になります。

しかし、いまのご時世ではそういった時間が削られて悔しい思いをしているのではないでしょうか。そんな中でも先生や友人たちとアイデアを出し合い工夫を重ねて高校生活を楽しんでもらいたいです。大丈夫、勉強は自主的にするようになりますよ。

行事などの中止で十分な学校生活が堪能できていないと思います。それでも創意工夫を凝らして毎日を楽しく過ごすことが一番です。

興味がないことにもとりあえずチャレンジして知識と経験のすそ野を広げてください。各大学が主催しているオンラインでのオープンキャンパスにも気軽に参加することができます。考えるよりも行動に移すことが大切です。さあ、やってみよう。