• 東進タイムズ 2021年11月01号

現代文 輿水淳一先生の学習アドバイス

現代文
輿水淳一先生

「読む」とは「文章を眺めること」ではなく「文章の意味をつかむこと」であるという考えから生み出された「脱・字面読み」メソッドを伝授。読めると分かる、分かると解けるという真っ当なプロセスで生徒の成績を引き上げる。時に深く、時に楽しく展開される講義は生徒の心を鷲掴みにする。

新高3生

多くの受験生が志望校対策に取り組んでいることでしょう。その中でも過去問演習で現代文の問題を解く際の注意点をお伝えします。

1 「①正確さを重視する演習」と「②制限時間内に終わらせる演習」の両方をやる

①は、現代文の力を伸ばすトレーニングです。時間を気にせず、とにかく丁寧に読み、しっかりと根拠を持って解く練習を積み重ねることで、本番までに現代文の力を伸ばし続けます。②は、本番の予行演習です。制限時間を厳守し、その中で高い得点を狙います。この①と②の両方をやることが大事です。現代文が苦手な人は、①を多めに、得意な人は②を多めにすると良いでしょう。

2 集中して解く

現代文は暗記した知識をアウトプットする科目ではありません。初見の文章を読んで理解したうえで、問題を解いていきます。大切なのは「集中力」です。スポーツ選手が最高のパフォーマンスを発揮する無心の境地を「ゾーンに入る」と言いますが、それと同じような精神状態で本番に臨めるよう、普段から最高度の集中力で問題を解くことを繰り返しましょう。

3 完璧主義に陥らない

解き終えたら、答え合わせをします。全問正解であれば素晴らしい。でも、全問正解でなくても入試には合格できます。志望校の合格最低点は調べておきましょう。満点を取るために膨大な時間を費やすのは非効率的であり、他の教科の勉強時間も圧迫しかねません。より高い得点を目指すのはもちろん大事なことですが、完璧主義に陥って有限な時間を食いつぶさないように。解説を読んだり聞いたりして反省すべきところを確認したら、次の問題に進みましょう。

入試は運ではない 後悔のないスパートを

僕自身、高3の秋は不安でいっぱいでした。特に志望校の「受験倍率」を見てからその不安は募るばかりでしたが、ある時、ふと気がつきました。「もしかして倍率って関係ないんじゃないか?」。例えば倍率10倍であれば、合格するのは10人中1人だけ。「そんなの無理だ」と思いたくなりますが、入試は運だけの宝くじとは違います。10人中唯一合格した1人は、「合格最低点」を超えたから合格し、残る9人は「合格最低点」を超えなかったから不合格だった。結局、倍率が何倍であろうが、自分が合格最低点を超えるかどうか。そう考えられるようになってからは、「考えても仕方ないこと」に悩まされることなく、自分のすべきことに集中できるようになりました。

皆さんも、合格するために自分に必要なことを、淡々と粘り強くこなしてください。「もうちょっと頑張れたのにな」という後悔をすることのないように、残り3カ月、スパートをかけていきましょう!

新高1生・高2生

志望校が漠然とでも決まっている人は、過去問を一年分解いてみましょう。今の自分と志望校との「距離」が測れます。この距離の測定を後回しにしてしまうと、「間に合わない」という事態が生じかねません。志望校までの距離と、入試までに残された時間を考えれば、おのずと「どれくらいのペースで勉強を進めて行けばよいのか」が見えてくると思います。

また、現代文に関しては、今のうちに「一文をしっかり理解する」「文と文の関係(論理)をしっかり理解する」という土台を作っておくことが大切です。文章を理解する力は、短期間では身につきません。それは、スポーツの上達と同様に、トレーニングを積むことで徐々に身体(脳)が変化し、それに伴ってパフォーマンス(成績)が向上していくものだからです。

限られた時間を無駄にしないためには、「ルーティーン」を決めることが重要です。「どんなに忙しくても疲れていても必ずやること」をいくつか決めておくと良いと思います。ルーティーンを守ることで勉強のエンジンがかかり、毎日にリズムが生まれます。

「未来予想図(仮)を描く」

おススメしたいのは、今の自分なりに将来のビジョン(未来予想図)を描いてみることです。そもそも大学に行く必要が自分にあるのか。大学に行くとしたらどのような大学に行くことが自分のビジョンに適かなっているのか。もちろん未来のことは誰にもわからない。でも、「思い描いた未来の自分に向けて今を生きる」ことと、「ただ目的もなく今を生きる」こととでは、「今」の強度が違います。「(なんとなく)〇〇大学に行きたい」と思っている人よりも、「(自分の未来のためには)〇〇大学に行かなくてはならない」と思っている人の方が、踏ん張りがききます。自分はどんな人生を生きたいのか、自分の胸に聞いてみてください。