• 東進タイムズ 2021年11月01号

生物 緒方隼平先生の学習アドバイス

生物
緒方隼平先生

学生時代から努力と経験を重ね続けてきた気鋭の講師。生物学は現在の自然現象を基盤に進化の可能性を探求する学問であると解し、常に生徒に考えさせることを追求する。暗記と無縁の講義は、いわばリスナー参加型の一つの物語となるだろう。

新高3生

今回は、入試範囲の学習がまだ終わっていない受験生と、すでに終わっている受験生に分けて、今後の学習の指針をお伝えします。

入試範囲の学習が終わっていない受験生は、「教科書」を用いて、まずは全分野を学習し終えることを目指しましょう。生物用語を正確に覚え、正しく理解することだけに集中してください。土台がきちんと構築できていれば、その先の発展的な内容はいくらでも積み上げることが可能です。

知識問題は反射で解く

一方、入試範囲の学習がすでに終わっている受験生は、志望校対策を進めましょう。なかでも過去問演習の際の注意点をお伝えします。まず、解答時間は試験時間の7〜8割程度に設定してください。大問ごとの解答時間の目安を設定してから、問題を解き始めてもいいでしょう。次に、「知識問題」で少しでも悩んだら次の問題へ進むこと。悩んでも解答が出てこないような知識問題に時間を費やすことほど、ムダなものはありません。悩んだあげく仮に解答できたとしても“悩むことに費やした時間を失っている”のです。反射的に解答できる問題をどんどん解答し、時間があれば解答できたのに...、という問題を無くしましょう。最後に、問題を解いた後には必ず復習してください。その際、正解できなかった理由や改善すべき内容を明確に。入試までの残りの期間ですべきことを具体的に洗い出すことこそ、過去問演習の一番の目的です。

勉強量はすぐに成績に反映されるものではありません。ただ一つ確かなのは、勉強量は絶対に裏切らない、ということ。今日の精一杯の努力は、明日を照らします。

新高1生・高2生

今は生物用語を詰め込む時期ではありません。もちろん、知識量を増やすことはとても大切です。一方で、共通テストは考察問題が主体であり、「知識量」ではなく、「考察力(=基礎的な生物用語の正確な理解を土台として、初見のグラフやデータを読み解く力)」が求められます。今すぐに「詰め込み学習」から「考える学習」へと切り替えましょう。例えば、「ミトコンドリアはDNAを持つ」という文章を丸暗記してもその先の発展性はありません。「なぜミトコンドリアはDNAを持つのか」と一歩踏み込んで考えると、ミトコンドリアは元々独立した生物が細胞の内部に入り込んで生じたものである、という内容まで合わせて覚えることができます。教科書の記述に対し、常に「なぜ」を意識した学習をすることで、暗記の負担は軽減され、知識の詰め込みを回避できるのです。

細胞・代謝・遺伝子は生物の土台となる分野

これから生物(生物基礎)の勉強を始める人は、「生物の特徴(生物基礎)」・「遺伝子とそのはたらき(生物基礎)」・「生命現象と物質(生物)」・「遺伝情報の発現(生物)」の順に学習してください。右記の単元で学ぶ細胞・代謝・遺伝子は、生物を学ぶうえで土台となる分野であり、今後の学習に大いに役立ちます。

高3生の多くは「もっと勉強しておけばよかった」と思っています。同じ後悔をしないためにも、できるだけの時間を勉強に注ぎましょう。勉強した分だけ、できますよ!