ページを更新する ページを更新する
  • 東進タイムズ 2021年12月01号

数学 青木純二先生の学習アドバイス

数学
青木純二先生

公式は覚えるだけでなく、自分で創って使うものという変わらぬ想いで、20年以上教壇に立ち続けてきた本格派講師。「なぜそうなるの?」を考えることを数学の基本とした講義は、本物志向の生徒から永く支持される。既知の修得はもちろん、一つの考え方から発想を広げ、自分の頭で考え続けるトレーニングを通じて、未知なる問題を解決できる力を養成する。

高3生

大学入試は総合点で合否が決まります。少しでも点数を上げる努力として、苦手科目に重点を置いて学習を進めましょう。受験生の心理として、どうしても得意科目を中心に勉強したくなるものですが、伸びしろの大きい苦手科目をいかに得点に結びつけられるかが勝負です。「これからまだまだ伸びるぞ!」と信じて邁進してください。

また、共通テストまで一カ月となり、その対策に力を入れ始める人も多いと思います。国公立大学を志望している受験生は共通テスト直前期は、二次試験のことはしばらく気にせずマークシート方式の演習に没頭していいでしょう。精神的な部分で重要なのは「ちょっとした失敗は気にしない」という余裕です。一つのミスを挽回するチャンスはいくらでもあります。「絶対ミスをしてはいけない」と自分を追い込むことよりも「たとえミスしても合格してやる」くらいの余裕がないと、ちょっとした失敗で頭が真っ白になりかねません。

そして、共通テスト最終日の夜から二次試験に向けてのラストスパートが始まります。気持ちの切り替えが大切になります。

試されているのは集中力

入試に挑んでいくにあたって「考えてどうにかなること」と、「考えてもどうにもならないこと」を切り分けることが重要です。「考えてもどうにもならないこと」に時間を費やすのは、現実から逃げているだけです。「落ちたらどうしよう......」という不安は誰にでもあります。しかし、それは考えても仕方ないことです。

皆さんは試験会場で生まれて初めて見る問題をその場で考えて解き上げなければなりません。その際、
①出題された問題の意味を考える
②実験などを行い、答えを予想する
③適切に立式する
④確かな計算を実行する
⑤答えにたどり着く
といったプロセスを経る必要があるのです。ほかの人が解いたこの流れを覚えるのではなく、自分でこの流れを作れる人になることが皆さんの最後の仕事です。

残された短い時間の中でできることは限られていますが、「目の前にある課題をこなす」以外やるべきことはありません。どれだけ勉強したのかという時間を競うのではなく、「集中力が試されているのだ」という覚悟を持って立ち向かってください。

高1生・高2生

受験勉強のスタートにあたって、例えば理系の難関大学を目指しているとした場合、「いつまでに数学Ⅲまでの教科書をすべて終わらせるのか」というラインを明確に設定しましょう。「高3になる前」や「高3の夏前」など自分のペースに合わせて設定してください。それができれば、あとは前進あるのみです。

私のイメージでは「受験生」とは「起きている時間はすべて勉強している高3生」を指します。現実的には起きている時間の100%を勉強に充てることはできませんが、無駄な時間を作らないことを意識して行動していくことが受験生としての第一歩です。

自分に厳しくして、生活を変えること。高2生・高1生はいずれ来る受験勉強生活を意識して、今どのような生活をすればいいのかを考えておきましょう。

覚える学習から早期に脱却を

模試は自分の大まかな位置を知るために必要です。しかし、それよりも高2生・高1生のうちは基礎学力をしっかり身につけられるかどうかの方が重要であると思います。学校の定期テストなどで、良い点を取りたいがために、どうしても「やり方を暗記」することに走る生徒がいます。そうすると、受験勉強として問題に取り組み始めた際に「自分は何も分かっていない......」と現実を突きつけられ、愕然とするのです。

とにかく、「数学は公式を覚えて、解き方を覚えて......」という誤った幻想から早く脱却すること。「数学的に賢い」ということと「記憶力が優れている」ということは全く別のことなのです。今まで教わったさまざまことをそういう視点で復習しましょう。

数学の学習でよく勘違いするのが「問題が解ければいい」という錯覚です。それが単に「解き方を覚えただけだった」という場合はなおさら注意が必要です。「なぜそうなるのか」を常に考えながら数学と接していれば、一年後の学力は驚くほど違っているはずです。