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  • 東進タイムズ 2022年2月01号

現代文 西原剛先生の学習アドバイス

現代文
西原剛先生

「文章の現実から逃げない」ことを信条に、明快な構造板書と豊富な具体例を用いて難解な入試問題を「誰でも分かる」レベルに解きほぐす。卒業論文では『文章論的文章読解指導法の研究』を執筆。文章の「客観性」だけでなく、時に「多義性」「曖昧さ」まで見遣りながら、文章読解に正面から向き合う正統派の現代文講義。

新高3生

「ここまで来たらあがいたってしょうがない」などと言わないで、最後までしっかりあがき切ってください。人によって状況は異なると思いますが、君の勉強時間はもっと増やせるかもしれません。通学時間の有効利用(単語暗記など)はもちろんのこと、まだまだ「無駄時間の削りどころ」があるのではないでしょうか。例えば、毎日の服装を決めてしまえば、着替えは1分で済むでしょう(周りの人は君の服のことなど気にしていません。あれこれ考えずにさっさと着替えましょう)。

僕自身の経験で言うと、直前期は、食事の時間(10分間)にTVで世界史関連の番組を流していました。食事をしているとき、口や手はふさがっていますが、目は空いていますよね。このように、工夫次第で勉強時間はいくらでも増やせます。仮に受験まであと2週間だとしたら、1日45分増やせば約10時間増やせます。10時間というのは、過去問演習なら数年分、薄いものであれば問題集一冊取り組める時間です。まだまだ未来を変える時間は残されています。

過去問演習は必ず行ってください。第一志望の問題は解いていると思いますが、志望順位の低い大学でもできれば3年分、最低でも1年分は解きましょう。現代文に関して言えば、大学の偏差値の高さと問題の難しさは必ずしも比例しません。安全圏の大学と思っていても甘く見ていると痛い目に合います。必ず過去問を解き、傾向を体得しておきましょう。

実力を出すために無駄な力は抜こう

先に書いたとおり、試験前日まではとにかく必死に勉強してください。そして、試験本番では良い意味での諦めが必要です。自分の力以上のものを出そうとすると、緊張してしまい、良い結果を得られません。問題冊子が配られた時点で、君がどの程度解けるかはほぼ決まっています。「ここまで必死にやってきた。後はもうなるようにしかならない」と思えると、無駄な力が抜けて実力を出し切ることができると思います。

最後に。予備校に通っていると、受験勉強をすることが当たり前で、「たくさん勉強すること=偉いこと」と思ってしまいがちです。僕自身、入試直前期にそれまでの自分の限界を超えて勉強したことを、どこか誇っていた時期がありました。でも、世の中には経済的な問題や家庭の事情など、さまざまな理由で勉強したくてもできないという高校生もいます。勉強しようと思えばできるという状況はけっして当たり前でないということを、頭の片隅に置いておけると良いと思います。

新高1生・高2生

受験勉強をスタートするうえでおススメなのは、志望大学の最新の過去問を解くことです。現代文の問題は学年に関係なく解けますから、東進の「過去問データベース」でプリントアウトして、早速チャレンジしてみてください。あまり気が進まなければ、「志望大学に見学に行き、近くの図書館やカフェで問題を解く」といったように、イベント化してみるのもいいでしょう。大学近くのカフェであれば、その大学の学生が勉強していることが多いですから、良い刺激になると思います。

試行錯誤を繰り返しながら効果的な学習を考えよう

次に、勉強のやり方の話ですが、僕は元々要領が悪く、勉強のやり方がとても下手でした。今でもよく覚えているのは、中学1年生のとき、地理の試験勉強で「教科書の丸写し」という修行僧のような勉強をしていたことです。手をまっ黒にしながら試験範囲をすべて写し、いくらかの達成感とともに試験に臨むのですが、高得点が取れません。「時間かけてるはずなのに何でだよ!」という思いでした。勉強法の拙さは性格に由来する部分もあるので、すぐに変えられるものではありませんが、それでも試行錯誤によって少しずつ修正していくことは可能です。僕の場合、脳科学者の池谷裕二先生の著書『高校生の勉強法』(東進ブックス)を読み、それに基づいて、「エア授業」「感情移入学習法(ミトコンドリアメソッド)」といった自分なりの勉強法を編み出していきました。人それぞれ能力や性格は違いますから、最適な勉強法もまた人それぞれです。結局は、自分に合ったやり方を自分自身で作り上げていくほかありません。学校の定期テストも「勉強法のスキルを上げる機会」と捉え、どうすれば効果的な学習ができるかを常に意識してください。それも一つの受験対策です。